第1章
□第4話 情報整理と新事実
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「…お涼ちゃん、どうしたんだろう?」
「……我に聞くな。」
『戦国……安芸……毛利元就…』と呟きながら頭を抱える私に、どう対応したら良いのか分からず囁く二人。
出てこない…っ!!何処だ、何処で聞いたんだ私!?
何とか記憶を甦らそうと格闘していたとき。
「涼華〜!!」
「「!!?」」
突如、玄関先から聞こえた声に二人は身構えた。
…どんな育ち方したんだろう、この方々…。
「いや、大丈夫ですよ?只のお客さまですし。」
インターホンがあればいいんだけど……いや、それはそれで過剰反応しそうだな、此処の居候たち。
『入るよ〜』と間延びした声と、玄関の引き戸を開ける音がする。
「そこまで緊張しなくていいですって、あの声は友人の千夏ちゃんだし………………………………………………………千夏ちゃん?」
彼女がその部屋の襖を開くのと、私が立ち上がったのは、ほぼ同時だった。
「あぁぁあぁぁ!!!」
「うひゃっ!!?」
「うおぉぉ!!?」
「静かにせぬか!!!」
「「痛っ!!」」
私の叫び声に千夏ちゃんと慶次君が驚き、毛利さんは私と慶次君をバシッとはたいた。…よ、容赦無い……。
「…って何!?驚――」
「千夏ちゃん!!!!」
「ぎゃああああ!?」
叫んだ勢いのまま、彼女に飛び付いた。
「ちなっ、千夏ちゃん!!大変、せ、せせせせ、せん、戦国っばっさ¢&#¥℃£*§£&☆∞∴@∈←¶¢*¥………!!」
「何言ってんの!!?」
千夏ちゃんは私を引き剥がしてから、その後ろを見て目を見開いた。
「……え?誰この二人。」
「此方の台詞だ、騒がしい無礼な女子が…。」
慶次君が毛利さんを諌める前で、千夏ちゃんはムッ、とした顔をした。
「…あんた雰囲気が毛利元就そっくりね。」
「「………!!?」」
二人はギョッとした目で彼女を見た。
それに気が付かない様子で今度は慶次君を見る。
「そちらさんは何だか前田慶次似だし…。」
「な、何で……!?」
彼等が狼狽えているところで、やっと私は落ち着いて彼女に向き直った。
「千夏ちゃん。」
「あ、やっと元に戻った…涼華、この二人誰?」
「…さっき千夏ちゃんが言った通りだよ。」
「……………?」
「彼等は『毛利元就』さんと、『前田慶次』君……………あの………………………………………戦国BASARAの人だよ。」
「……えぇ!?」