第1章
□第4話 情報整理と新事実
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「グスッ……それで、お二人さんは今どちらに住んでるんです?」
…千夏ちゃんは、心なしか私の後ろに隠れて問い掛けた。
「勿論 この家だよ。」
そう言ったら彼女はガバッ、と顔を上げた。
「なっ!!?涼華、男二人と一緒に住んでるの!?ダメでしょうが!!!!」
「えええ…!?」
何だかまた初めに戻りそうな勢い……?
「そこまで心配しなくても、私は結構 貯金があるのは知ってるでしょう?」
「そういう心配じゃないっ!!いや確かに少しは気になるけど、私が言いたいのはもっと別!!!」
「………………………………………………………………………………。」
「おい、止めろって元就、それ女の子に向ける殺気じゃないだろ!?」
「随分と賑やかだね?」
その四人以外の声が新たに聞こえた。初めに嬉しそうに反応したのは千夏ちゃんだ。
「え?…秋真君!」
「秋真さん!!!!?」
対する私は……絶望にも似た想いで叫び、慶次君と毛利さんを庇うように立った。
「お、お涼ちゃん?」
「二人共、秋真さん――――あの男性がいる前では、絶対に私より前に出ないで下さい……!」
「………………何故?」
「………言うのも恐ろしい目に遭う可能性大です……最悪、命の保証は出来ません………!!!」
「ええぇぇぇぇ!!?」
慶次君は叫び、『恐ぇ奴には見えないけど…』と言った。……そう、秋真さんは優しい人だ。
『通常』は、物腰が丁寧で人望の篤いお兄さんだが………………『裏秋真さん』が降臨されると(思わず敬語)………………………。
「秋真君も何とか言ってやってよ!涼華がこの二日間でとんでもない事しちゃってるの!!」
「うん、全部聞いた。」
聞かれてたあぁぁ!!一番慎重に話したかった人にあっさり知られちゃったぁあぁ!!
中庭から、『お邪魔するね?』と変わらず普通モードの爽やか秋真さんが縁側を踏む。
「……涼華…。」
「は、はい毛利さん?」
「この屋敷は警備が薄すぎる、何故…こうも勝手に人が出入りするのだ?」
「この方々には、元より鍵を渡しているので。」
「……………あの男は先程中庭から入って来たが?」
「…………………………………………………そういうことです。」
「…どういうことだ。」
私と毛利さんが小声で言い合っている内に、秋真さんが部屋に入って来て言った。
「涼華さん?」
「はいぃぃぃ!!?」
思わず声が裏返った私に、ゆっくり彼は言葉を発した…。