第1章

□第4話 情報整理と新事実
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「僕も手伝うよ。」





「……………え?」

 命に代えても居候達を守ろうとしていた私は、思わずすっとんきょうな声を出した。


 千夏ちゃんも、予想に反した彼の言葉に唖然として口を開けていた。
 当の秋真さんは、控えめに笑った。


「ハハ…何?そこの二人に罵詈雑言を浴びせるとでも思ったの?」

「…お、思いますよ…。」

 これまでの事を振り返れば……。



「そちらの二人は同棲しても安心かな―、なんて思ったから、さ。」

 背後から『話の分かる兄ちゃんだな―!』『…何処が恐ろしいのだ』と聞こえてきた。
 違うんです、いつもの彼ならもっと、極端な殺傷性のある台詞を仰るんです…!


「秋真君っ!涼華が巻き込まれてんのに…!」

「これは僕個人の意見だから、千夏さんは無理に従わなくてもいいよ。ただ今回は、涼華さんが進んで面倒見てるようだし 一概に巻き込まれてる、とは言えないと思うよ。」

「…それは、そうだけど……。」


「それに、もし何かあっても僕らで奴等を即抹消すればいい事だろう?」

 今、さらっと衝撃発言しましたよね!?何気に裏モード降臨されてますよね!!?



 驚くこちらに彼はまた顔を向けた。

「僕は涼華さんの友人で、飛鳥 秋真と言います。これからはお二人に協力していこうと思うのでよろしく。……ただし、万が一彼女に危害を及ばせた場合………」

 ニッコリと満面の……どす黒い笑みで言った。




「問答無用でお命頂戴しますので、そのつもりで!」




 聞こえてきた唾を飲み込む音は、慶次君のものだろう。…うん、いつも通り恐ろしいお方ですよ、秋真さん…。


 おかげで静まり返った空気を断ち切ったのは、最も冷静であろう毛利さんだった。



「…それで、我等が『げえむ』の人間とはどういう意味なのだ?」
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