novel

□チョコレート 謙光
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「けんやしゃん…すきぃー」

「あーはいはい。知っとるよー」

ここは俺の部屋。
両親は2人とも仕事で留守。
弟は友達の家に泊まりに行っとる。
で、俺はテニス部の後輩であり、ダブルスのパートナーであり、
恋人でもある財前光と2人っきりで自宅におんねやけど…。

現在光は酔っ払っております。

俺が酒飲ませたんとちゃうで?
たまたまうちにあったチョコレートの詰め合わせを、
甘いもので生きてるんちゃうかっちゅーくらいめちゃくちゃ甘党な光にだしたったんや。
割と有名なトコのチョコやったさかい、光も目ぇ輝かし取って、
なんやばくばく食っとったんやけど。
そんチョコんなかにブランデーかなんか入ってたらしくてな…。
今日初めて知ったけど、光はあり得へん程酒に弱かったっちゅー話や。
気ぃついたときにはもう呂律まわっとらんかったし。

普段はツンデレ通り越してツンツンなんやないかって思うくらいめっちゃ毒舌の光は今、デレデレです。
好きとか言うとるし!!
いっつも恥ずかしがって言ってくれへんからテンションあがるんやけど、そうも言ってられん。
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