銀高シリーズ集

□くりすますってなんだろう
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くりすます。

よくわからねェがめでたいらしい。



「今年は冷え込むからホワイトクリスマスかもなぁー。」



銀時はそう言いながら、木に飾りをつけている。

気に垂れ下がる飾りや人形でじゃれたくて仕方ないが、コタツの温もりには勝てない。

温かさに身を委ねて、さてもう一眠りとしようとしたらコタツから引きずり出された。

寒ぃ。



「何だよ。離せ天パ。」



「何この子反抗期?
コタツで寝たら風邪ひくって言ってんだろーが。
先週まで鼻垂らしてたのはどこの誰ですかコノヤロー。」



「フン。」



「その尻尾ちぎるぞ。」



顔を反らすと、まだぐだぐだ何か言ってたが知らねェ。

俺はコタツで寝てェんだ。



「今からクリスマスケーキ作るけど食べる?」



「いるか。あんな甘ェモン。」



「ですよねー。」




エプロンを着て、台所へ行く銀時を追いかける。


「手伝ってくれんの?」



「は?」



「いや、『コイツは何ふざけた事言ってんだ』って顔止めてくれる?」



「んな事思ってねェよ。
『この天パは何寝言ほざいてんだ。頭おかしいんじゃねェ?』って思っただけだ。」



「泣くから止めて。ほんと泣くから。」



銀時に引っ付きながら、生地をかき混ぜる手を見る。

コイツの体温は心地いい。


ふと、ケーキのチラシに目が止まった。



「オイ。」



「んー?銀さんクリーム泡立てるのに忙しいんだけど。」



「このデブは何だ。」


赤い服に、白い髭。
はち切れんばかりの腹。


「デブって言わないの。
それはサンタ。」



「サタン?」



「それが来たら子供泣くから。サンタね。
夜中に、プレゼントを置いてってくれるオッサンだよ。」



「ふーん。」


夜中にプレゼント…。



「それ、知ってるぜ。不法侵入だろ。」



「それは言わないであげて。」



大人の事情だから、と釘を刺された。


そして、ケーキの甘ったるい匂いから逃げるように、コタツへ戻った。













クリスマス後日。




「何コレ。」


枕元に置いてあるまたたたび。

晋ちゃんは横で布団を占領して丸まっている。



もしかして…クリスマスプレゼント…?



「…今日はマグロの刺身でも買って来るか。」


ゴロゴロと上機嫌に喉を鳴らしてるのは聞かないフリをしておいた。




END.

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