銀高シリーズ集

□発情期なのです
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「うにゃぁん。」


「は!?」




それは暖かいまさに春日和に起きた。



「何やってんの。」



いつもは縁側でゴロゴロしている我が家のアイドル晋ちゃんが畳に身体を擦りつけて猫の鳴き声を発しているのである。


いや、半分猫だから普通なのかもしれないけど。


でも晋ちゃんは普段ちゃんと人間の言葉を話すし猫な部分なんて耳と尻尾だけ。それ以外は人間と全く変わらない。




「うにゃあぁ。」



一声鳴いたと思ったら今度は自分の長い尻尾を噛みだした。



「ちょちょちょ、何やってんのォォォォ!?」


慌てて止めに入ると手を甘噛みされる。


「あの、晋ちゃぁん…?(汗)」


「あぁ、これは発情期だな。」


「ぶっっっ!!!」


いつの間にか横にいたヅラ。
てか何人の家に勝手にあがってんですかコノヤロー。


「お前がインターホンに出ないからだろう。
話を戻すが、この時期は猫にとって発情期なんだ。」


「晋ちゃんまだ子猫なんですけど。」


「猫の歳で言ったら立派な成猫だ。しかし、相手を探すわけにもいくまい。ブラッシングしてやるか、抱きしめて背中を撫でてやればいい。」


「あ、そ。情報提供ありがとう。てなわけで帰れ。」



ドガァッ!!!



「ふぐっ!待て銀時!まだ高杉の肉球を触ってnバタンッ!!!!




ようやくゴミを追い出して晋ちゃんのところへ戻ると、相変わらず妙な行動をしている。



「晋ちゃん、こっちこっち。」


「銀時ィ?」



半ば身体を引きずる用にして晋ちゃんを膝に乗せる。


「や゙ーっ!」



「何このデジャヴ。嫌じゃないの。ブラッシングしてあげるから尻尾出しなさい。」


「嫌だ。」


プイッと顔を反らす可愛い仕種に20秒ほど抱きしめて強制的に尻尾を引きずり出す。


黒くて艶やかな尻尾はブラッシングなんかしなくても十分キレイ。


しばらくブラッシングしていると気持ちいいのか胸元に顔をすり寄せてゴロゴロと喉を鳴らしている。



にしても、また発情期が来た時は相手を探した方がいいのだろうか。
ふと疑問が頭を過ったが、


『晋ちゃんの相手は俺だろう。』


今の晋ちゃんに抱くには危な過ぎる思考を抱く俺だった。




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