なにがどうしてこうなった
□遭遇
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ああ、夢か現か。できれば夢であって欲しかったなぁと心底思うわけで。
夢でもこんなに最悪な夢は見たことがない。
試しに顔をぺちぺちと叩いてみる。
…あ、やっぱり痛いです。
うん、泣きたいです。
「オラ、へ、返事しねーか!」
「ひぁっ!う、うう…ごめんなさい許してください」
「ああ?」
だからもうその凄むのやめてくださいってばぁ!
てか近いってばぁ!
なんで不良って近いわけ?耳遠いの?
もうやだよーー!
「てか、なんでビビってんだよ、お前」
「そ、れは」
アンタが超絶こわいからに決まってるでしょうが!
…とはとても言えるはずもなく。
「お金なら…ないです…から…」
消え入りそうな声で伝えるのが精一杯だった。まあ、そんな蚊の鳴くような声だったから不良様には届かなかったかもだけど。
てかなんでこんな状況になっちゃってるわけ?
俺がいつ不良に絡まれるようなことをしちゃったんですかー!
まあ、…したんだけどね。
話は数分前にさかのぼる。