そううけっ!
□第三章
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「おはようございます」
キャー!!!
「朝からうっせーんだよ!!」
キャーー!!!!
まじ鬱陶しい。
お前らの頭はどうなってんだ。朝からおめでたくて良かったですね。
「蒼二はよくそんな対応ができるな」
「会長はそういう反応をするから人気が上がるんですよ」
「……なんで」
ここはホモの巣窟ではなくドMの巣窟ということか。なるほど理解。
しかも今日はうまく髪が決まらなかったから余計に気分が悪い。
俺は軽くくせのある漆黒の髪を撫でつけながら、教室に向かう。
俺の教室は2-A。一番端っこの遠い教室だ。それもまた俺の気分を憂鬱にさせる。
そう、朝から他クラスの視線を感じつつ登校するのだ。
最初は自惚れていたが今ではただただ鬱陶しいだけだ。
反応すれば…蒼二の言う通りになりそうなのでやめた。
なるべく目立たないように後ろの教室から入る。と…
「てめぇ…俺の領域に入んな」
「…………そうかお前ここだったか」
廊下側の一番後ろの席…なぜか異様にドアに近い…てか近すぎだろ!迷惑極まりねぇよ!!ドア付近なんだから自重しろよ風紀委員長め!!
なんでドアすれすれに机つけてんだよコイツは!
「うっせー黙りやがれアホ会長」
「んだとバカ風紀!!」
そう、風紀委員長の十文字楓(じゅうもんじ かえで)とは犬猿の仲だ。こいつマジ気に食わねー。
十文字…そう、こいつは俺の悪友、十文字巽とは双子の兄弟である。因みに巽の方が弟な。俺も最近知ったんだが。
確実に神様はミスったよな。どう考えても巽のが兄だろ。
昔はよく三人で遊んでて…楓も素直だったのになぁ。いつからかツン馬鹿…おっと失言…ツンツン野郎になりやがった。
「あっちいけ蜜蜂野郎」
「…ざけんな楓ちゃん」
「…っ!!ちゃんを付けるなちゃんを!!」
おお、面白い。
やっぱこいつで遊ぶのは面白いな。
とにかく周りの視線が鬱陶しくなってきたので俺は自分の席につくことにした。