そううけっ!
□第二章
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俺は目立つのが割と好きだ。
生徒会長に就任してから嫌でも目立つようにはなった。
なったが・・・正直この目立ち方はメリットもデメリットも大いにある。
食堂を利用したらなんだか見られているような気がする。いや、実際見られているんだけども。
何日前だったかな・・・・
よく覚えてないのは俺の記憶力が悪いとかそんなんじゃなくてだな・・・毎日起こるから覚えてないという意味で。
いつものように巽と一緒に学食に来てい時・・・
「わぁ!今日は一ノ瀬様は和食の定食だよ!」
「お味噌汁をすするお姿・・・かわいらしいいい!!!」
「十文字さまああこっち向いて!」
「十文字様かっこいいー!」
「なんで味噌汁すするだけで可愛くなるんだよ!わっけわかんねー!」
「いやー、ご馳走さまですその可愛いお姿・・ぶふっ」
「笑ってんじゃねえええ!てかなんで俺は可愛くてお前はかっこよくなるんだ?!そこがむかつく!」
「かわいらしいですよ会長様」
「黙れ!」
目の前に同じ和食定食を頼んだ巽は、こらえきれずに吹きだしていた。
だいたい可愛いってなんだよ!俺は男だ!
てか自分で言うのもなんだが、可愛くはない。どっちかというとかっこいいと言ってほしい。希望だが。
むかつくのはクラスメイトで学食をいつも一緒に食べる巽だ。自分だって和食なくせに・・まぁ、巽もなかなかかっこいいルックスをしているから巽が騒がれるのは納得だ。
「まぁ、会長のこととなると、この学園の生徒はどんなことでも知りたがると思いますけどね」
「そういうもんかよ・・・理解できねぇ」
で、今日だ。
今日も今日とてジロジロ見られていることは承知済み。
しかし今日は長らく実家の都合で来れなかった大好きなシェフがようやく戻ってきたことを聞き、なんとしてでもあのカツカレーを食べてやろうと意気込んできたんだ。
あ、転入生が第一の目的だぞ、一応な。
まぁついでに転入生いたらラッキー・・・とかなんとか思ってたんだけど・・・・
「ここ、空いてますよね」
「あ?空いてるけ・・・・ど」
俺が了承するとにこやかに笑った爽やか青年・・・・は!
「おまえ・・転入生か!」
ちょ、・・・ラッキーきたよ!
てかカツカレーうまい・・・さすが田中シェフ。
蜜が大声を出したことに、他の生徒会の面々は呆れたのだった。