そううけっ!
□第三章
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「やほー」
「はよ」
席に着くと楓と同じ顔の巽が迎え入れてくれた。なんか安心するなこれ。
そしたら…
楓がこっちに…来るんだけどなんでだよ。
「最近…また巽がお前にべったりなんだよな」
こちらに来たと思えば…なんの独り言!?
巽は呆れている。まあ…いつものことだもんな。
「巽がお前の話ばっかすんだよ。俺はお前の話なんか聞きたくねーのに」
なんの報告だよ、なんの。
いらねーだろソレ。
「なあ、巽はお前に俺の話してんのか?」
「俺に聞くなよ!」
直接聞けよ!目の前にいんのによー!
こいつのブラコンまじどうにかしてくれ!!一見クールそうに…たぶん見えるのに!なんて残念なんだよお前は…!
親衛隊は禁断の双子とかなんとか言ってるみたいだし…
「お前…巽を好きになってんじゃないだろうな」
「ねーよ!」
なんでそういう思考回路なんだよ。訳わかんねー
俺たちのやり取りを見て、ははは、と巽が笑う。笑ってる場合か…
「ひどいなぁ蜜…あれだけ昨晩可愛がってやったのに…」
「なんだって!?」
「巽も乗るなぁぁぁ!!てか俺が可愛がられるってなんだよ!」
なんで巽が俺を可愛がるんだよ。逆だろ。てか俺はソッチではないから、確認するけど。
バコッ
「てめーらうっせーんだよ。俺が来てんだよ無視すんじゃねぇ」
頭に痛みを感じると…背後にいたのは…
「八須賀…」
バコッ
「先生をつけやがれってんだ一ノ瀬コノヤロー」
また出席簿で殴られた。だらしない、教師には程遠いホストみたいなこいつ…俺たちの担任の八須賀遼(はちすか りょう)その人である。
しかも煙草吸ってんだけど。当たり前ですよみたいな顔で吸ってんだけど。教師の癖に。
「うっせ、タバコくせーんだよホスト教師」
「はいはい、とりあえず落ち着け。あとホストは撤回しろ。じゃねーと会長は掘られるのが大好きって噂ばらまくぞ」
「すみませんでした八須賀先生様」
こ…っの…鬼畜ドS野郎…!!!
なんて奴だ…いつか絶対辱めてやる…たぶん…会長だからたぶん…できると思う。
楓も落ち着いたようで…「蜜は掘られたかったのか…」とかなんとか呟きながら顔を俯け、自分の席に帰っていった。
大きな勘違いをしてるみたいだから、とりあえず後で話し合いに行こう。
「よし…そうやってしてれば可愛いんだよ一ノ瀬は」
「はい?」
「そんで言っとくけど、お前はどう見てもネコだ」
「は?俺は人間だけど」
それを聞いて八須賀は嘲笑した。巽も笑っていた。
訳を聞くと「大丈夫、俺から見ても蜜は人間でありネコだ」と答えられた。
巽が言うんだから嘘はないと思うけど。
俺の周り…まじ馬鹿ばっかだな………生態系の不思議を今度巽に教えてやろうと思う。