そううけっ!

□第四章
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体育祭。
この学園の体育祭は普通の体育祭とは一風…いやかなり違う。
体育祭と書いて、

「ミスコン…だもんな」

とても不純な軽い気持ちで会長になった俺。
毎年ミスターコンテスト…略してミスコンがこの体育祭で執り行われる。生徒会と風紀委員主催の、だ。
ミスコンとはその名の通りで。この学園のプリンスを祭り上げ…違う、「決めて」、そのプリンスを賭けて4チームが競うというもの。
勝者にはプリンスとの1日デート権がもらえるらしい。
そんなルールを初めて知った時は絶望した。去年のプリンスは……誰だったか…覚えてねえ。
プリンスとデートするのは…もちろん男。そんな馬鹿らしい賞品に必死になれる時点でこの学園は終わってると思うのはおかしいのだろうか。いや、むしろ俺が普通だよな。

「プリンスなんてやる奴の気が知れねーよ」
「本当にそうですよね」
「……ああ」

なんだか蒼二の笑顔がこわい。笑顔なのにこわいと感じてしまうのは、きっと先程の出来事が俺の身体に刻みつけられたからだ。

「会長、さっきのはほんのお遊びですよ。そんな怖がらないでください」
「ばっ…お前、俺はびびってなんかいねーよ!」

急に何を言い出すのか。俺は断じてびびっていない。たぶん。けれど蒼二の周りに何かモヤモヤしたものが見える気がする。気のせいであってくれ。


「そのプリンスを誰か決めないとダメなんだ。だから例年通り投書箱を設けることにする」
「えええー!!」

なんだ…それ!
投書箱ってことは…

「何が『えええー!!』だよ!し…しないと伝統が崩れんだよ!」

伝統って…やはり楓は気にするとこが違う気がする。

「だから生徒会よろしく」
「なんでだよ!俺はやだかんなンなめんどくせー…の…」

背後から冷ややかなオーラを感じますタスケテ!

「会長…仕事ですから」
「…投書箱のを一枚一枚数えなきゃいけねーんだぞ」
「そうですね」
「…生徒の奴ら…ぜってー全員出すから…枚数は2000超えるんだぞ」
「2000で済むからいいじゃないですか」
「…う…」
「会長なら優秀ですからすぐに終わりますよ」
「…そう、か?」
「はい」

………優秀…。
俺はその言葉に弱い。のを知っていて蒼二は言うからずるい。まあそれで体育祭が盛り上がるなら…いいか。


「いいぜ。やってやろーじゃんか」

俺はこれから起こるであろうことを予想し、楓を見てにやりと笑った。楓をプリンスにしたらなかなかに面白いのではないか。俺が。

「…おまっ!そういう顔すんなバ会長!!」
「…はい?」

ただ見て笑っただけなのに…
なんで顔真っ赤にして…怒るんだ。ほんとツン馬鹿だ…
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