そううけっ!

□番外編
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【ダイエットと俺】

「なあ…最近ちょっと太った…かな」


それは生徒会室での俺の一言で始まったのだった。
俺がそう思ったのには訳がある。

話は今朝にさかのぼる。



なんとなしに同室の巽と朝食をとっていると、


「蜜って、太ったよな」
「え」


うん、ほんとほんと。と巽に返されると、俺はショックを受けた。
特に暴飲暴食をした訳でもないし、生活を変えた訳でもない。

なのになぜ…





女子みたいで恥ずかしいのは恥ずかしいのだが…気になるものは気になる。

俺はいつの間にか声に出してしまっていたようだ。


「蜜っちゃん可愛い…女の子みたい…」
「う…っ!!そんな風に言うな!」
「会長、」
「蒼二…」

翔は俺を茶化すように笑う。
鼻を押さえているのは花粉症だからと思いたい。

すると蒼二がすっと立ち上がり、俺の顔に手を添えた。
…って、近い…!
なんだこの距離感とか考えていると、不意に抱きしめられた。

えっ、なんだこれ。
状況に混乱する。


「こうしてると体型が分かりますね。しかし…太ったとは思えませんよ、特に、」
「ひ…っぁ、」
「この腰…華奢でそそられますね」


ひ…ひぃぃあぁぁ!!
つ…と撫でられると背筋が伸び挙がる感覚が走った。

こいつらはおれで遊ぶほどそんなに暇なのか。


そのあともなんやかんやセクハラをされ、疲労して部屋に帰宅すると、巽から今朝のことは四月一日…つまりはエイプリルフール。ということを聞かされ…良かったような、悪かったような複雑な気分になった。
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