そううけっ!

□番外編
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【親衛隊と俺】


みんな忘れているかもしれないが、何様俺様の俺だって親衛隊がいる。
生徒会に属している者にはみんな、いるんだけどな。

そしてこれも忘れがちかもしれないが、俺の親衛隊長はあの日高万里である。

まあ、万里だからこそやりやすい、っつったらそうなんだけどもよ…


「会長、今日も十文字巽様と何を話されたんでしょうかっ!」
「は?」
「会長、十文字巽様が朝突然キスを仕掛けてきた、ということはございませんでしたか?」
「はぁあ?」
「会長!」
「会長!!」


今は月に一回執り行われている…らしい、親衛隊による会議の真っ只中だ。
へえ、そんな会あるんだ〜と思うかもしれないが。
奇遇だな、俺も今日知った。


それにしても…


「万里、この会議は一体なんなんだよ?!」
「一ノ瀬会長様をお守りするにはどうしたらいいか、というのを全力で話し合う会です」
「いやいやいやいや…絶対ちげーだろ…だったら冒頭の質問はなんだよ?!俺と巽のなにを聞きたいんだてめーらは!」


会議室を貸し切って行われているのだが、その主旨に沿って行われているとは到底考えにくい。
だったら、先ほどの親衛隊員から鼻息荒く質問された内容はなんなのか?
おかしいだろ絶対に。
そこまで頭の悪い奴がいないだろうと思ってたのに残念すぎる。


「私たちは会長の恋路をお守りするためにこうやって月一のこの会議を行っているのです」
「いやいやいや、俺は女の子が好きだからね?」
「ノンケ無自覚受け…」
「はあ?」


俺は真面目に事実を述べただけだが?
なぜ万里の思考はこうも残念なのか、理解に苦しむ。
というか、俺今まで参加したこともなかったけど、俺がいない場合はこいつらどんな会議してんの?…いや、やっぱ知りたくない。なんか怖いわ…


「では、定例通り、会長に関する報告を述べて言ってください」
「だーから!!なんだよそれ!!こわいよお前ら!」
「ですから、私たちは会長の恋路を「もういいよ、俺もう帰るから」


そうですか…と残念そうにする万里と隊員たちは無視して、俺はその会議室を後にした。


廊下にも漏れ聞こえる会議内容が少し聞こえてしまって、なんだか泣きそうになってしまったのは、今日の晩御飯を食べて忘れようと蜜は思った。



(親衛隊の月例会議には蜜は今後一切参加しなかったとか)
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