そううけっ!
□とりっぷ!
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自分に置かれている状況はどういうものか整理したくても、訳の分からない状況に突然放り込まれると人間は冷静な判断を取れなくなるものだと初めて知った。
「どこだよ…ここ」
俺は確か生徒会室で一人で作業をしていたはずなんだよ。やっと終わったと思って机に突っ伏したとこまでは覚えてる。けれどここは確実に生徒会室ではない「どこか」だ。
もしかして…
「異世界、とか?」
そんなわけないよなぁ、なんて自嘲気味に笑うと、頭上から声が降ってきた。
「察しがいいのう、さすがは蜜じゃ」
「?! だ、だれだ!」
この声やっぱり聴いたことがあるんだけど…と思えばさっき頭の中に響いた声だった。
その声の主は俺の目の前に姿を現したのだった。
その姿を見て驚いた。その容姿に、だ。
まあ、小柄な体…よりももっと驚いたことがある。
「あ、姉貴?!」
「はぁ? 少なくともお前よりは人生謳歌しとるわ」
馬鹿にするな、とのたまう彼女は、サイズ感はよく映画とかでみる妖精?サイズなのだが…顔は俺の姉、一ノ瀬華そっくりだったのだ。