短編小説
□不良な先輩と僕
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俺、宮田信(みやたしん)は平々凡々な男子高校生。
普通に友達と馬鹿やって、遊んで、それなりに勉強して、そんでもってかわいい彼女との甘酸っぱい恋とかもしちゃって…みたいな普通の生活が送れたらそれで良かった。
刺激的な毎日!なんて御免だ。
「ねぇねぇ〜俺たちさぁ、困ってんだよ〜とりあえず昼飯買ってきて?」
「…………」
はい終わった〜
俺の普通は終了を告げましたよご愁傷様。
なんでこんなことに?
俺を睨みつけるのはまっ金金に髪を逆立てた…不良さん。
たまたま弁当忘れたから、久しぶりに購買に来るとこれだもんな…
「あ?聞こえねーのかよ?この童貞!」
「ひ…っ!」
いたたた!耳引っ張んないで!そんな近くで怒鳴らないで!
てか童貞って言った!?言ったよな…!?
間違っては…………ない、けど………
「お前に言われる筋合い…なんて………ない」
「ああ?」
「あ」
やっべええええ!!!!
口に出てた!!!!!!
殴られる…!
そう思った瞬間、
「おい、」
「ふぇ?」
何やら美形の2人に取り囲まれた。
確認するが、ここは男子校で、その美形さんたちも男である。でもこんな美形さん見たことなくて、思わず見とれてしまった。その中でも一際目立つのは派手な茶髪に鋭い眼光の持ち主だった。その茶髪さんはなんだか、人を寄りつけないオーラみたいなのを持っていた。
「おい、聞いてんのかテメー」
「へ!?ああ俺ですか?」
「テメー以外誰がいんだよ」
俺ですか?周りの人は茶髪さんたちを見るとそわそわして避けている。
「…あの、何か御用ですか」
「お前…怖くねーの…」
「…何がですか?」
イケメンさんが呆れる顔をすると…やっぱりイケメンだった。もう一人は何故だか笑っていた。