存在理由

□一話
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休み時間の廊下には人が多い。

僕は昔から人と人の間を抜けるのが得意だったので、そんな特技がここで生かせるのが少し嬉しかったり。

あとは、人ごみの中にまぎれることも得意だ。


あ、特技の話しはおいといて、


現在追いかけられている。



「早くつかまえろー!!」

そんな声がする、どんだけストレスたまってるの?




僕は屋上に向かった。



バンッ


「もう逃げられないぜ!!」

「早くサンドバックになりなさいよ!」


うるさいな〜、サンドバックの気持ち分かる?ってわかんないか(笑)


いざとなったら自分で飛び降りればいし。



そのために屋上に来た。

実を言うと死にたくない、やりたいことたくさんあるのに………。


フェンスの近く、僕は追い詰められた。





ガシャン



僕の背中の後ろにはフェンス、一体僕にどうしろっていうんだ!!


「やっと殴れる!!」



そんな言葉が聞こえた。

「さっきの言葉聞き捨てならないしね!!」

拳が僕の顔面に降りかかってきた。


きっと早いのだろう。僕にとってそれはとても遅く感じられた時間だった。


精一杯僕は叫んだ



「誰か僕を助けてくれ!!」


どうせ誰も助けてくれないだろう。

僕は心のどこかで思ってた。



それは僕の思い違いで………。






パチパチパチ






「ん〜、良く言えました♪」



僕は目を疑った。



まるで世界の色がなくなったかのように、僕の目の前は時間が止まっていて……。


「え?」

何だ、これは。



「時を止めました。私の力で」


「どう・・・いうこ・・と?」


「言葉の通り♪」


「君は誰?」


「ん?名乗るときは自分からって言われなかった?まぁいいや!
私は凛華、氷野 凛華。」


僕は疑問に包まれた。



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