短編
□君恋 炎ツナ
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約1週間振りの並盛町に彼らは帰ってきていた。
見慣れた我が家の玄関。
靴の並び方。
「ママーン!!ただいまだもんね!!俺っちお腹空いたー」
「まぁ、ランボちゃん?ツッ君とリボーンちゃんは?」
「ここだ。今帰ったぞ、ママン」
「お帰りなさいリボーン君」
見慣れた我が家のはずなのにどこか懐かしささえ感じている綱吉。
早速ビアンキに抱きつかれるリボーンの横をなんとなく通り過ぎたとき、ビアンキは綱吉にも「お帰りなさい」と言ってくれた。
「ツッ君!!お帰りなさい」
「ただいま、母さん……」
見慣れた母の顔。
見慣れたキッチン。
ソファーやテレビの位置。
チビ達の笑い声。
あの恐ろしい未来から帰ってきたときとはまた違う感覚だ。
「ツナ兄?こんなに怪我してる。大丈夫?」
「フゥ太。大丈夫。平気だよ」
フゥ太の目がどこか潤んでいる。今回のことをフゥ太とビアンキには話していた。イーピンも心配してくれたのか、傍によってきた。
「ツナ兄………お帰りなさい」
「おかえりなさい」
「うん。ただいまフゥ太。イーピンただいま」
温かい家族。
ふと、綱吉は親友となった彼を思い出した。
炎真はもう家に着いたのだろうか…………