短編
□そう思うのは僕だけ? 炎クロ
1ページ/3ページ
「それじゃあ、来週までに自分歴史のために使う写真を持ってきてくださいね」
担任の言葉に、どの写真を持ってこようか、誰との写真を持ってこようかをまわりと話始めるクラスメイト達。
「……………」
窓際の席に座る彼。
項垂れるように窓の外を見た。
―――自分の……歴史……?
赤い髪。
赤い目。
いつだって傷だらけになって赤く滲む体。
―――………赤……
『助けて!!炎真お兄ちゃん!!』
―――写真なんて……
「赤く滲ませて棄てたよ……」
彼の声は空間に消えて弾けた。
・