短編
□天地 雲ツナ←炎
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「それでね、雲雀さんてばー……」
最近の彼らのお気に入りの場所は並盛の川の土手である。
ここなら、人気は少ないし、かといって近くにコンビニもあって不便でもない。
お互いの自宅からも学校からも丁度良い距離にあるため、気軽に来やすい。
その場所で綱吉と炎真は、他愛のない話をしていた。
……と思っていた。
. . .
炎真は。
「雲雀さん、珍しく焦っててさ。なんかそれがすごく可愛かったんだ///炎真にもみせたかったなぁ………」
「僕も見たかった(ツナ君さっきから雲雀さんの話ばっか……)」
不満だった。
彼が楽しそうに話す少年、雲雀恭弥は、並盛中風紀委員長にして最強の不良。
しかし、綱吉だけには心を開き、時折綱吉に他の者には見せない笑顔を見せる。
最近は綱吉も同じく、他の者には見せない笑顔を雲雀に向けていた。
炎真にはそれが不満で不安で堪らなかった。
「て、ごめんね炎真。俺ばっか喋って………」
「大丈夫だよ。ツナ君が喋ってるの見てるの飽きないし……。ツナ君は雲雀さんが大好きなんだね」
とたんに綱吉の顔が赤くなる。
「炎真!?な、何言って……っ」
「だって雲雀さんの話ばっかするから………」