短編

□そう思うのは僕だけ? 炎クロ
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「これが、ツナ君?」

「おお!ツナちっちぇのな!」

「愛らしいです十代目!!」

「?――ってぎゃああぁあぁああぁぁ!!?3人で何見てんの!?」



綱吉のアルバムを見ていた3人からそれを取り上げる。



「ごめんツナ君……」

「炎真はいいよ!どうせアルバム引っ張り出したの山本と獄寺君だろ?」

「すいません十代目!!」

「悪ぃなツナ」



土下座して謝る獄寺とばつが悪そうに愛想笑いをする山本。



「ツナ君、これ……」

「?」



アルバムに挟まっていた薄い冊子のようなものを炎真が綱吉に差し出した。



「これって……ああ!うわー…懐かしいなー」



しみじみと言う綱吉に炎真達は疑問符を浮かべた。



「自分歴史って、自分の生まれたときとか、名前の由来とか調べたりしてさ。小さいときの自分と家族の写真持ってったり…」

「そういえば俺もそんなことやったのな!確か……小2位か?」

「ああ、うん。俺もそのくらいのときやったな―」



話題についていけない獄寺と、その会話を眺めている炎真。
「炎真?」

「ツナ君ごめん。帰るね」

「え?でもさっき来たばっか……」

「アーデルからメール来てた。早く帰ってこいって」

「え?」

「ごめん。またね」



有無を言わさず帰り支度を整え、炎真は部屋を出た。



「炎真!」



びくりと炎真の肩が跳ねる。

気付かれてしまっただろうか。自分の中に渦巻いてる感情に。



「またね、炎真」

「………またね」



玄関を出て、走り去っていく親友の背中を綱吉は見ていた。



「俺、なんでアルバムなんて部屋に置いてたんだろ……」



玄関の扉を閉めて、扉に体を預けたままずるずると座り込んだ。



「………炎真。すごく悲しい顔してた……」
























『自分歴史に使うための写真持って来てくださいね』

『小2位か?』

『自分の生まれたときとか、名前の由来とか』



走っていた。



走って、



















「うわぁっ」


















転んだ。

「……〜〜〜っ」
「大丈夫?」



頭の上から聞こえた、鈴のなるような声。



「クローム……?」

「立てる?」



クロームは自分の手を炎真の目の前に出した。



「ありがとう……平気」



クロームに手を貸してもらって起き上がると、制服に付いた砂埃をはらった。



「クロームは、こんなところで何、してたの……?」

「私は……」



少し考えたあとで、クロームは口を開く。



「京子ちゃんのアルバム見てたら辛くなった」

「………そっか」



―――同じだ……



「あなたは?」

「僕も君と一緒」

「そう……」



なんとなく二人で歩いた。



「どこに行くの?」

「猫にご飯あげに行こうかと……クロームも来る?」



クロームはこくんと頷く。



「クロームの家族って……」

「骸様に会ってからは、ちゃんと思い出したことない……」

「ごめん……」

「あなたは?」

「いなくなってからは、考えないようにしてる」

「……そう」


















「家族のことは嫌いじゃないの………ただ、自分の過去は好きじゃない……」

「うん。僕も……」






















自分の過去は嫌い。


僕もだよ


大嫌いなんだ。


ねぇ、似てるね


君と僕って……



































そう思うのは僕だけ、なのかな?



























『赤く滲ませて棄てたよ』


























大嫌いな、
自分の過去を―――……



















END
→あとがき的なモノ
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