Marchen

□葡萄の夢
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『葡萄の夢』

「フーフフフン♪んぁ、お姉さーん♪♪」

「あら、ぺーちゃん。」

今日も彼女がやってきた。
私の作った葡萄を美味しいと言ってくれる彼女。

「おら、また葡萄貰ってもいいだか?」

「どうぞ。」

きっと女将さんにあげるのね。
彼女の話しに必ず出てくる女将さんと呼ばれるこの人が私はとても気になる。
クソばばあなんて悪態つきながらも、とても懐いている。

「せっかくうめぇ葡萄なのに、クソばばあがお客さまに葡萄あげちゃうだよ。」

「あら…」

「おら女将さんにたらふく食って欲すーのに…」

「くすくす(笑)」

「んぁ、笑うなんてひでぇだ!!」

「違うわ。それと女将さんはぺーちゃんの気持ちが嬉しかったのよ。だからお客さまにもおすそ分けしたかったんじゃないかしら?」

「そーだべか?」

「きっと、そうよ?あと、私もぺーちゃんが美味しいってまた来てくれてとても嬉しいもの。」

「本当にうめぇだよ?」

「ありがとう。」

「じゃあまた来るだよ!」

「はい、女将さんによろしく言ってね?」

「分かったべ(*´∀`*)ノシ」

本当にあの二人はとても微笑ましいわ。
私も以前はあんな風に無邪気に笑えてたのかしら?
何だか少し羨ましいわね…
ねぇ、ネイージュ?

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