万太郎「巻きますか、巻きませんか?」
□カラクリ超人!?薔薇乙女ここに見参!
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「全くもう…!僕はキン肉星の王子なんだぞ!無礼千万だよ、ったく…!」
万太郎が壁際に戻ろうとすると、万太郎は勢いよくこけた。
「ふんぎゃっ!イタタ……なっ、何だよこれ…」
万太郎が明かりをつけると、床には重厚に出来た西洋風の鞄が佇んでいた。
「こんなのあったっけ?」
興味深々に鞄を見る万太郎は、それが開くことに気づく。
ゆっくりと鞄を開けると、そこには一体の人形と、ぜんまいが入っていた。
「に、人形…? ミートのかな? いやいや、ミートにそんな趣味はないぞ。じゃあ……父上のだったり?」
万太郎は取り敢えず、片手で人形を持ち上げると、色々な角度から観察してみた。
「しっかし、凄い凝ってるなぁ。指の関節も一つ一つちゃんと出来てるし」
万太郎が感心していると、一つの穴に気づいた。
「鍵穴…?このぜんまいを入れるのかな」
万太郎は何の気なしにぜんまいを入れると、ピタリと嵌まった。
そのまま何回転か回すと、ぎこちなく人形は動き出した。
驚いた万太郎は、人形を離した。
しかし人形は、一人でに、ゆっくりと立ち上がった。
両の目が開けられると、その人形は万太郎に問いかけた。
「…あなたが、ぜんまいを回したの…かしら?」