万太郎「巻きますか、巻きませんか?」
□カラクリ超人!?薔薇乙女ここに見参!
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そして今は、万太郎を宥めすかし、鼓舞してきたパートナーのミートもなく、万太郎の心は深く沈んでいた。
万太郎が電気も付けずに壁際で座りこんでいると、突如として電話のベルが鳴った。
だが万太郎は微動だにせず、しばらくしてベルも鳴りやんだ。
だが、ベルは再び鳴りだし、しつこく音をたてた。
さすがに万太郎も煩わしく感じたのか、腰を上げて電話を取った。
「うるさいなぁ、誰だよ!」
「…巻きますか、巻きませんか?」
「へっ…?」
突然のことに万太郎は固まったう。
ようやくこれがイタズラ電話だと結論づけると、万太郎は無言で電話を切った。
「全く…!」
怒りながら壁際に戻ろうとすると、再度、ベルが鳴った。
万太郎は勢いよく電話を取ると、怒鳴りこんだ。
「しつこいぞ!僕がキン肉万太郎だと知ってのイタズラか!」
万太郎は怒気をあらわに叫んだ。
だが、相手の無機質な声は変わらず、相変わらず巻きますか、巻きませんか、と繰り返した。
これには万太郎も怒り心頭する。
「よぉし、巻いてやる!巻いてやるから今すぐ僕んちに来い!」
万太郎がそう怒鳴ると、電話は突然切られた。