万太郎「巻きますか、巻きませんか?」

□カラクリ超人!?薔薇乙女ここに見参!
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うさぎが首をかしげる。

…おや…、nのフィールドに異変が…。……ふふ、やってくれましたね…。
…たゆたうは束の間の灯火…。…揺れ動くは運命の影…。

…これもまた…、薔薇乙女に課せられた責務なのかもしれません…。

…交差する影は…、何を映すか…。
実に興味深い…。


深い深い霧の中、うさぎは消えた。



超人オリンピック準決勝。
試合はクライマックスを向かえていた。

「大渦(メイルストローム)パワー!!」

男は背中合わせに相手の体に飛び乗り、両腕をキャッチした。
男の技が、敵の両腕に莫大な負荷をかけている。

「グギャオァ!」

「あ〜〜っと、ケビンのフェイバリット、オラップがイリューヒンの腕を締め上げる〜!」

ケビンのオラップは華麗に決まっている。
脱出は不可。イリューヒンは断末魔の叫び声を上げてしまう。

「大腿骨、腰骨、上腕筋のホールドが見事に決まってます! これは逃げられませんよ〜!」

解説は興奮した面持ちで実況している。
ケビンのセコンドであるクロエも、この激戦に思わず身を乗り出した。

「情けなどかけるな!  二度と自分に挑ませないように捻じ伏せろ!」

「言われずとも、そのつもりだ! はぁぁぁあ!!」

クロエの言葉に反応したのか、ケビンはさらに身体をのけぞり、イリューヒンの腕を攻め上げる。
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