おはなし
□思春期ボーイ
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ああ、きょうも、暑い。溶けてしまいそうな、真夏日。でも昨日よりはマシだと思うのは、制服が半袖だからだろう。
衣替えの時期。今日から一斉に夏服になり、真っ白なシャツがまぶしい。
まぶしすぎて、俺は、色々、やばい。
袖から覗く細くも太くもない二の腕に、暑苦しいのだろう、ふたつ目のボタンまで外したシャツ(せめてリボンくらいはつけろ!)に、膝より少し上のスカート(他の女よりは、長め)。
そして、きらっきらの笑顔をクラス中にふりまいてやがんだ俺の彼女は。俺はもう気が気じゃねえ、って!スカート掴んでぱたぱた扇ぐのは、ちょ、やめろよ!み、見え…!
「おーい、パンツ見えそうだぞ!」
10代目の隣に座る山本、野球バカが笑いながら言うと、顔を真っ赤にしてバカ!と叫ぶ。ああ、そんなお前もかわいいんだけど。とりあえず山本、後で果たす。かわいいのなー、て、爽やかに笑ってんじゃねー。
「な、獄寺。お前なんか顔赤くねえ?」
「はっ?!」
なに言いだすんだこいつ、いや、多分、赤いんだろうけど!色々やばいんだこっちは。大体お前が変なことあいつに言うから。
は、?ぱ、パンツ見えたのかっ、て?!な、なな、なんなんだコイツー!
「なあ、何色?」
「知るかこのヤローー!!果たす!」
「ご、獄寺くん?!」
がたん、と椅子から立ち上がってダイナマイトを取り出すと、10代目に必死に止められた(だって10代目、山本が!)。
野球バカはと言うと、おもしれーなー!なんて笑ってやがるんだ。
とりあえず、山本のセクハラをやめさせないと、俺と彼女に平穏は訪れない。
(えーと、水色だろ!)
(?!は、てめ、果てろ!!!)
見えてんじゃねーか!!
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山本は初々しい彼氏彼女をからかいたい年頃なんです。笑
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