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□Voice in noise
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―――、―――……
その声は、いつもオレの心に響いていた。
Voice in noise
..姿のみえない泣き声
それは泣き声だった。
いつも、どんなときでも泣いている。
それはオレが年を重ねるごとに大きく、泣き止まなくなっていく。
何故泣いているのか。
誰が泣いているのか。
それすら、オレにはわからない。
きみは、だれ?
姿の見えない主に問いかける。
どこで泣いているの?
声を追って、あてどなく走る。
―――その声は、泣いていた。
「―――眩しい……」
朝。
清々しいまでにオレの顔にダイレクトに差し込む陽光に、腕で影をつくりながら目を開く。
そのオレを見、わざとカーテンをずらした主は袖をパタパタと振りながら笑った。
心なしか、窓辺で変な座り方をしているその彼をやたらウザイと感じる。
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