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□笑ったあなたが、すき
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ねえ、笑って
それだけが僕の望みだから
笑ったあなたが、すき
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Sembra essere totalmente
un miracolo
今日も僕の周りは相変わらずで。
あなたも相変わらず不機嫌。
机に肘をついて、眉根を寄せて余所見をしている。
前に座っている僕に向いていないのが、不機嫌のしるし。
「ねえ」
「なんですカ」
「拗ねないでよ…?」
「…拗ねてません」
あからさまに拗ねている。
声も表情も変わっていて随分わかりやすい。
話は簡単、
彼は僕を悪く評価する人間を疎んでいるのだ。
現に彼が睨む先、
僕の陰口をたたく輩がいる。
「嘘。拗ねてるよ…」
「………」
黙り込んだ。
ほら、図星じゃない…?
「…仕方ないじゃないですカ…」
アナタがどんな人か知れば複雑な気分になるんです、と
心苦しそうに言い、机に俯せる。
つい最近までは彼もあちら側の一員だった。
自分と同じことをしようとしている僕を過去の自分に見立て、排除しようとした。
そうして過去の自分を消し去ろうとするかのように。
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