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□好きだから
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なんの試練なのか、
今日はずいぶんと精神力を使った気がする。
好きだから
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Io lo sopporto
e non posso sopportarlo
某日、夜。
レインズワースのワタシの部屋へ、1人の訪問者。
言わずもがな、ヴィンセントである。
彼は雨に濡れ、寒いのだろう震えながら窓を叩いた。
それに気付いたワタシは体が一瞬底冷えしたような感覚に襲われる。
「こんな雨の中何をやってるんです…!!」
やや乱暴に窓をこじあけ、急いで部屋へ引き入れる。
完全にずぶ濡れになった彼は、部屋に入るだけで水音をたてた。
すぐに浴室へ行き、浴槽に湯を張り始めタオルを2つひっつかんでくる。
元の場所に帰って来ると、服も脱がず床にへたり込んでいる彼。
「なにやってんですか、もう…!
体拭かないと…」
風邪ひいたら大変でしょう、と言いながら黒い服を脱がせると、
下の白い服が華奢な体にひっついて透けていて。
(……、ガキかワタシは…)
少し動揺したが、時が違う。
白い服も脱がせて、体は自分で拭くようタオルを渡す。
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