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□こどものような
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あなたはなんにだって嫉妬する。
それが、なんだか楽しい。
こどものような
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dramma
「ヴィンセント」
「ん……」
「ヴィンセントー」
火照って気怠い意識の外から、僕を呼ぶ声がする。
最初は普通に呼んでいたのだけど、段々と不服の混じった声に変わって。
それが彼の嫉妬心だと気付いた僕は、わざと応えない。
寝たフリを決め込むんだ。
「ヴィンセント〜」
拗ねたような声。
楽しくて、笑いを堪えるのが精一杯。
「……起きてるでしょう」
ぼふっ、とベッドに上がりこむ音。
「襲いますヨ」
そう呟いたのが耳元。
…やだなあ、朝から盛んな人だ。
「クスクス…
おはよう…?」
「おはようございマス。
全く、朝からワタシで遊ぶなんていい度胸ですネェ」
アナタ最近ひどいですヨー、とむくれて。
ふくれっ面になった彼は、ぴょんとベッドから降りた。
そんな彼に、また笑みが零れる。
「何笑ってんですカ」
「ふふ…だってあなた、朝から拗ねてるんだもの」
「じゃあワタシの機嫌直してくださいヨ」
アナタのせいなんですからネー、なんてこどものように言う。
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