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□てのひら
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ガチャ。
扉が音をたて開き、その向こうから現れる来訪者の影。

「…おやおや
随分と荒れた部屋ですネェ」

ザークシーズ=ブレイク。
彼は右目だけであたりを見回し、切り裂いたオズ人形の残骸達にそう感想をもらした。

僕はオズ人形に嘲笑と憎しみを向け、笑った。

「気に入らないから」

それに彼は少々表情を消したけれど、僕に近付いてきて、頭を撫でてくれる。

「寂しがりやさんですネェ
今日はワタシが居ますから、相手しますヨ?」
「うん…」

ぎゅ。
心持ち少し強めに、彼の服の裾を握りしめる。

昔から彼は僕にやさしい。
飄々としていながら、いつだって僕を見ている。
寂しくないように、狂気にのまれないように。

僕はそんな彼が、すきだ。

「ザクス兄さん…」
「何ですカ?」


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