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□交差二重恐怖
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「ワタシの読みが外れているというのなら、何故今逃げようとしたんです?」
「驚いた、から…だよ…」
「じゃあ今も逃げようとしてるのは何故です」

…鋭い。
これでは逃げ切れない。
実際、彼がここに現れる直前まで、僕は気が沈んでいた。

僕は誰かをがんじがらめにしないと生きていけない。
なのに僕はそれを甘んじてくれる人を拒絶する。

僕にやさしくしてくれる稀少な人を、僕で汚したくないと。

「………」
「図星ですカ?」
「……めてよ」

ハイ?と聞き返す声が、僕の感情を掻き乱す。

僕にさわらないで
僕にさわらないで…!!

「やめてよ…!!」

やさしくしないで
僕はきっとあなたをがんじがらめにしてしまう。
挙げ句拒絶してしまう

それであなたに見放されでもしたら、僕は僕を認められない。

あなたに拒絶されるのが、こんなにも怖い。

「………」
「あなたには…果たす約束があるんでしょ…?
僕なんかただの駒じゃない」

今のうちにあなたを離しておけば、きっときれいなまま
僕は遠くから見ていたらいい

だから、

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