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□眠りに落ちたら
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しかしそれに気付かない彼女は、さらりと返した。

「仕事ですから。」
「…………」

割り切っている。
長年の付き合いに諦めは重要だとワタシの友人も言っていたが…。
こんな時に思い知るとは夢にも思わなかった。

少し頭が痛い。

「…きみはまだ忙しいんでしょう?」
「?はい。
ヴィンセント様を運んだ後はあれとこれとそれと…。」

多忙な子だ。

「ワタシみたいな暇人にやらせると効率的だと思いません?」
「…………そうですね。
ではお願いします、暇人さん。」

暇人さん……。

そのまま彼女はワタシに彼を預け、濡れた服を少し払って屋敷へ入っていった。

「…アナタは気候すら関係なく寝るんだな…」

風邪をひいたらどうするんだ、と小さくぼやき、彼の部屋へと向かった。





「……ん…、」

小さく唸る声。
やっと起きたか、と視線を彼に向ければ、あちらの視線とかち合う。

「目が覚めましたカ」
「………ん……
…帽子屋…さん……?」

まだ状況がよく思い出せないのか、ぼうっとしている。

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