道化師のJoker
□きっかけ
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あたしが不動明王に成り代わった日から4年
乳幼児期は羞恥でまた軽く死ねそうだった
普通に走り回れるぐらいになるとあたしは初めて我が儘を言った
“サッカーがしたい”と
母さんと母さんから聞いた父さんも嬉しそうに笑った
あたしが我が儘も言わず大人しかったから
本当はテニスがしたかったけど両親が喜んでくれたから良しとする
そんな訳で今日も公園でリフティングの練習中です
『45…46…47…48…49…50!』
不動明王の成り代わりだからか上達が早い
確か超次元サッカーだったよね、イナイレって
なら、シュートしたら必殺技とかでるかな?
思ったら即実行
周りに人がいないかを確認した後、思いっきりボールを蹴った
あたしが蹴ったボールは黒い霧みたいなのを纏い木に命中した
その木はボールが当たったところが抉れて若干黒くなっていた
『え、嘘だろ……?』
超次元だからって木が抉れるのか?
とりあえず、自分がやったと知られてはマズいので足早に家に帰った
その後ろ姿を誰かが見ているとも知らず…
「なかなかの逸材だな」
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