名前なんて決められないッ!

□いーち
1ページ/2ページ







・・・ここ何処だよ?



天上は透きとおるような真っ青な空。



周りは緑が生い茂りその上に木が何処までも続くかのように立っている。



何故か頭が痛い。



声を出そうとしても出ない。



その代わり何処からか赤ん坊のような声がする。



そして、掲げているはずの俺の手は、いつものスラリとした手ではなく、ふっくらとしたもみじのような手・・・







・・・・何でだろう。



俺、泣きそう・・・



Σって、ヤバッ!!マジで涙腺緩んできた!!!



誰か、誰かいないのか!!!



もうこの際大魔お・・・ゲフンゲフン珠香さんでいいから出てきてよ、いや出てきて下さい!!!



てか、本当ここ何処なんだぁぁああ!!!!!















あ、目から海水が・・・

〜〜〜〜〜〜

〜〜〜



「うおぉぉおい!!!!」



「避けないでよ、もう。狙うの大変なんだから(笑)」



「(笑)じゃねーよ!(笑)じゃ!‼」



どうも!



ただ今奇声を出している響デス!!



何故か知らないけれど親友の珠香さんから竹刀振りかざされている真っ只中デス!!!



そして誰か助けてぇぇぇええ!!!!!



「フッ 誰も来ないって言ってるじゃないですか。」



「Σ読心術⁈読心術なのか⁉それじゃ無かったら黒ま「コロスヨ」ご、ゴメンなさい!!だからカタコトにならないでぇぇええ!!!」



俺は必死に顔のど真ん中を確実に狙ってくる得物を避ける。



すると、珠香さんは立ち止まって困った顔をしながら腕をくんだ。



「だから、避けないで下さいよ。そして、その無駄にキレイなイケメン顏を殴らせて下さい。」



「Σ何故⁈」



「えー、あー・・・ムカついたからですよ。」



「何その間!!!それから、殴るなら手で殴れよ!!!ほら、その竹刀離して!!!!!顔はある意味大切だし!!!」



これでも俺は生物学上女なんだからっと口から出そうになったのを俺は喉で留めた。



・・・・だってそんな事言ったら珠香さん怒るんだぜ!!!!!



「当たり前でしょう。そんな顔した女性がいたら気持ち悪いじゃないですか。」



「き、気持ち悪い⁉」



ヒ、ヒドイよ珠香さんorz



俺だって、俺だって・・・



「胸もあるし、下に何か付いて無いんだからな!!!!!」「知ってます。」



「即答かよ!!てか、俺!←これ多すぎるだろおい!!!」



「叫び過ぎてるだけでしょう。少し静かに・・・いや、黙って欲しいものです。こちらが迷惑なんですが。というより、存在が迷惑です。」



響 に 10000 のダメージ!!!



響 は 倒れ「てねぇよ!!てか、なんでPRG風なんだよ!!」



ゾクッ



急に背筋が寒くなった。



俺は恐る恐る後ろを振り向くと・・・


















そこには般若の様な顔をした珠香さんが居た。



「あ、あの、そ、その・・・ゴメンなさい!!!!!」



俺はその顔を見るとすぐさまジャンピング土下座をした。



怒ってる、怒ってるよ・・・



いや、でも珠香さんは怒ると笑うからまだ分からないぞ、俺!!!!



「・・・・フフフッ私って何て言いましたっけ。ウフフフフフ」



お、怒ってるぅぅうう!!!!



「本当に五月蝿くしてゴメンなさい!!!何回でも謝るから竹刀振り上げないでぇぇえ!!」



「フフッそれは無理な相談ですね。そんな事で私の気が収まるとでも思って居るんですか。」



やべぇ・・・このままじゃ顔が危ねぇじゃん。



ジリジリと迫ってくる珠香さんから後退して行くと踵がドアに当たった。



もう逃げ場がないどうする、どうするんだ俺!!!



考えられる選択は2つ・・・



1.大人しく珠香さんに殴られる



2.今すぐドアから逃げ出して黒魔zyゲホンゲホン、何かによって苦しめられる



・・・どっちも俺、哀しい運命じゃないか(泣)



「でもどちらかといえば、2の方だから!!じゃ!」



俺はドアを蹴破り、脱兎の如く逃げ出した。



そして、背後からは珠香さんの声が・・・



「逃げるのなら、覚悟して置いて下さいよ。」



・・・・・俺は何も聞いてない聞いてない聞いてない聞いてない聞いてない聞いてない



〜〜〜〜〜

〜〜〜



いつの間にか学校から出ていた。



うん、見直したぜ俺!!b



まだ珠香さんから逃げ出す勇気があったって事をな!!!



「って、あっ鞄学校じゃん!!しくったぁ・・・」orz



あー携帯も鞄の中じゃねぇかよ。



・・・戻ろっかな。



そう思って俺はまた来た道をもどって行った。







































かと思ったら、



「あ・・・れ・・・・?」



俺の視界は夕日の赤に染まった空が広がった。



そして、その視界の端には空中でクルクルと回転しているあの黄色い奴が・・・



ゴッっという鈍い音が聞こえて来て、何故かじんわりと頭が温かくなって来た。



あぁ、空がキレイだなとのんきに考えて居たら、



黄色い奴が顔に落ちて来た。



舌打ちをしながら、何故か動かしにくくなっていた腕で払い除けた。



視界は徐々に赤で侵食されて行く。



赤に、赤に、赤に、アカに、赤に、赤、赤、赤、紅、赤、赤、緋、赤、赤、朱、赤、赫、アカ、赤赤赤赤紅赤赤赤赤赤赤赤赤緋赤赤赤赤赤赤赤朱赤赤赤赤赫赤赤赤赤赤赤赤赤赤アカアカアカアカアカ・・・



・・・夕日の色とは違うその赤がきれいで、キレイで、綺麗で、何故か愛おしく感じた。



さわりたい・・・



そう思って・・・・





















「ーーーッ!!!」





















(首元で何かの音がした気がした。)



・・・そこで俺の意識はブラックアウトした。



(それは夕日を反射して赤く紅く光る。)



(光る。)



(光る・・・。)








.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ