名前なんて決められないッ!

□にーい
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俺はそんなクジナさんを無視して次の箱を開けた。



中身は白い布に包まれた何かだった。



その布をめくって見ると、中は変な形をした刃物だった。



「あ、それはねー、私の叔父の叔母の子供の子供の従兄弟の従姉妹の子供の叔父の叔父の子供の叔母の子供の友人がヒビキの為に打ってくれたものなんだ。」



「Σ遠っ!?」



しかも、最終的にはただの他人じゃんか!!



血縁関係皆無じゃん!!!



「ついでに言うと、その友人はクジナの従兄弟なんだよ。」



「Σちょ、そっちを先に言えよ!!」



ヒョイ



ライさんは俺の手からそれを掠め取る様に取ると少し意味有りげに笑って口を開いた。



「ヒビキ、知ってた?その人が打つのって結構有名なんだよ(別の意味で)。」



・・・あれ?なんか副声音が聞こえた気が(汗)



俺はそう思いながらも黙って聞いていた。



「良く斬れるし(特に肉)斬れ味は変わらないし(アレが付いても錆びないんだよね)、ブランドって言ったらブランドに入るからだよ(アッチでは)。」



ワー空耳ジャ無カッタヨー。



何が特に肉なの?!!



アレって何?!?!錆びるものが付くの?!!



てか、アッチって何処だよ?!!!



俺はライさんからそれを受け取ると丁寧に丁寧に布に包み直した。



もう、物置に入れ込んでおこうと言う決意と共に。



しかし、その決意はライさんが言ったら台詞で崩れ去った。



「うふふ、丁寧に包み込んでそんなに気に入ったの、ヒビキの初めての武器が。」



俺はその一言でピタッと、まるで電池が切れてしまったロボットの様に動きを止めた。



「・・・俺の武器?!」



「そうだよ〜。ヒビキの初武器だよ!初武器!!」



俺の為にってそう言う意味だったの?!!



俺の武器だったらもっと、ロッドとか針とか、安全そうなのが良かった!!!←



内心少し(かなり)ショックを受けたが、出来るだけ口元を引き攣らないようにしながらお礼を言った。



それでもたぶん、俺の口元は引き攣っていただろう。



「嬉しそうで何よりよ!!」



そう言ってライさんは俺に微笑んだ。



俺はこれが嬉しそうに見える頭は幸せだなぁと思いました。←(何故に作文んんん?!)



取り合えず、俺もライさんに微笑み返した。



すると、ライさんは急に真顔になった。



俺は急に真顔になった事で、少し緊張した。



「ヒビキ、あなたに本当は言っていない事があるの。」



「・・・え、それは?」



ライさんの切り出し方に俺は本格的に緊張した。



「実は、私たち・・・」



「私たち?」



何処からか生唾を飲む音が聞こえた気がした。



「私たち・・・















魔法使いなのよ!!」



ズコー!!!



おいこら、あんたのせいで一昔前のコケ方してしまっただろうが!!



てか、魔法使い?



頭、大丈夫なのかなライさん。



「ちょ、ちょっとヒビキ。お願いだから、その可哀想なものを見る様な目で見ないで。」



「え、そんな目してた?」



「えぇ、とってもね。でも本当なのよ!!」



ライさんは「これが証拠よ!!」とかなんとか言って、何処からか俺が置いてきていたコートを取り出して左袖を持った。



・・・てか、今チラッと俺が付けてた白いベルトがコートの後ろから見えたんですけど(汗)



「(『寛大な領域-クレイドルディメンション-』発動)使用者ヒビキ=ロースター。」



ライさんがそう言うと、持っている袖が少し光った気がした。



「これでよしっ!!!ヒビキ、ちょっと待っててね。」



「え?!ちょ、待っててって・・・。」



そう言ってライさんはコートを持ったまま、さっさと部屋から出ていった。



残された俺(と気絶してるクジナさん)はポツンと立っていた。



しばらくすると、ライさんが黄色い奴を持って戻ってきた。



・・・Σ黄色い奴を持ってきただとぉぉぉおお?!?!!



「ラ、ライさん!!!な、何で奴を、黄色い奴を持ってきたんだ?!」



「どうしたの?奴ってバn「あーあー!!!俺は聞こえない!!!!」だけど。・・・どうしたのヒビキ?まぁ、台所で近くにあったから持ってきただけだよ。」



「だからってそれじゃなくてもいいだろぉお!!」



何で奴を持ってくるんだ!!



俺にとってはある意味、トラウマなんだけど!!!!



食べれるけどねっ!!!←



俺が反論しているとライさんは仕方ないなぁとでも言う様に奴を戻しに行って、代わりにリンゴを持ってきた。



「ヒビキ、ヒビキ!いくよ、見ててね!!」



そう言ってライさんはあの時に少し光った気がした左袖にリンゴを入れた。



それは普通に袖を通って落ちて来た。



「ちょっとライさん!普通に落ちてきたんだけど!!」



「うん、そんなの分かってるよ。だから、今度はヒビキがやって見て!!」



ライさんが差し出してきたリンゴを受け取ると俺は勢いよくライさんが広げて持っている袖に突っ込んだ。



すると、



「Σおぅわぁあ!!ちょ、リンゴ離したのに、落ちてこないんだけど!!!え、どどどどうしよお!!?!」



俺は入れたはずのリンゴが無くなったことにビックリして、思いっきり焦った。



俺が思いっきり焦っている時、クスクスと笑い声が聞こえた。



ライさんを見てもニコニコと微笑んでいただけだった。



誰だよ?!と思い、キョロキョロと周りを見渡して後ろを見ると、




















気絶した時の格好のまま必死に笑いを堪えるクジナさんがいた。



俺はなんだか自分でもわかる程急に冷めた感じがして、クジナさんに近づいて頭を蹴った。



ゴスッ



「ッテェ!!!おい、なんだよ急に!!!俺の頭蹴るほ、ど・・・はないんじゃないかな〜、ヒビキ?(苦笑)」



俺が蔑んだ目で見ているとその事を察したのか怒鳴っていた声がだんだん小さくなった。



ライさんはただ苦笑いをして見ているだけだった。



俺はそのままライさんの所に戻って訊いた。



「で、なんで落ちてこないの?」



「あははー何も無かったかの様に聞くね、ヒビキは。(汗)
えっとね〜、これは魔法なの!!この袖にかけた魔法はヒビキにしか使えない4次元空間に繋がる入り口よ!!」



そう言ってライさんは俺にまた手を入れる様に促した。



俺は手を入れると中を探りだした。



中はまるで壁の無い広い空間に手を入れている様だった。



少しすると指先にコツンと何かが当たった。



それを握って取り出してみると、それは俺が入れたリンゴだった 。



「おぉ〜!なんかスゴイよ、ライさん!!」



俺はキラキラとした目でライさんを見ると、ライさんは嬉しそうに顔を綻ばせた。



「喜んでくれてよかった!じゃぁ、これとかこれとか他にも色々いれて見てもいいよ。」



俺はライさんに差し出された物を嬉々として次々と確認もせず入れていった。



「ヒビキ〜、俺からもあるんだぞ。ってなんだよ、その態度は!色々と謝るからさぁ〜!ちょっと、ヒビキ?ヒビキー!無視しないで〜!!」



声を掛けられた瞬間、そっぽを向いていた俺にクジナさんは突っかかってくる。



俺は段々それがウザげふんげふん、めんどくさくなり渋々振り向いた。



振り返るとクジナさんはニカっと笑って何かを投げてきた。



ぱしっ



受け取ってみるとそれはクジナさんが仕事の時に付ける狐の面だった。



「それ、お前にやる。それには俺がね『ゴスッ』ン゛?!・・・魔法かけてるから傷つけても治る様になってるからな。(涙)」



クジナさんは後半を早口で言った後、何故かしゃがんで足をさすっていた。



何時の間にかクジナさんの近くにライさんがいて、ニコニコと笑っていた。



まぁ、たぶん小指を角にぶつけただけだろう。←



思いっきりな!!



ハッ、ザマァwww←



そう想像したらクジナさんへの怒りは少しスッキリした。



「・・・?何でクジナさんはコレくれんの?」



ふと疑問に思った俺はクジナさんに訊いた。



だってお面貰っても使い道がないし・・・。←



「フツーに顔隠す為に決まってるだろ。それ意外になんだって言うんだ。」



「は、何で顔隠さないといけねぇんだよ。」



「当たり前だろ!」



やっべー、クジナさんに当たり前って言われたら俺終わりじゃん。



って・・・あれ?デジャヴ?



「お前、事の重大さが分かってないだろ。自分の顔見た事あるか?」








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