名前なんて決められないッ!
□しーい
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トットットットッ
ドドドドド
トットットッ・・・
ドドドド・・・
皆さん、早速でゴメンけど・・・
走り続けんのに飽きたァアッ!!!!
てか、飽きたと言うよりも薄暗いところをずぅぅうううううっとマジ汗クセェヤロー共と一緒に走ってるって事が苦痛すぎる!!!
マジで汗くせぇヤローが密集するとが公害だろ!!!!←
あの中に混じりたくないから最後尾で走ってるんだけどさー・・・
息切れと汗と何かで顔がグッシャグシャの奴が隣と言うか斜め後ろぐらいにいて意味なくね?と思ってきた。
マジきったね!←
俺はそう思いながらばれない様に気に(ガン見)しながら悠長に走っていた。
しばらく気にしていると、隣が持っているパソコンが腕からずり落ちた。
隣はその事を気にする程の余裕が無いらしく必死に走っている。
うおッ!!
ちょ、気づいてねぇの?!!
パシ
俺はそのパソコンを地面ギリギリで拾い上げた。
「っぶねぇ。おっこして大破とかもったいなさ過ぎるだろ。」
パソコンは高価→大破する→修復不可能→買い換える→高額を使う→金の無駄使い!!!
ヨッシャ、無駄金防いだりィィイ!!!b
自分のものでも無いのに俺は利害を計算して喜んでいた。←
ドンッ
「って?!うぉっととと・・・!!(汗)」
不意に俺はぶつかられた。
「くっそぉ〜、誰だよぶつかってきた奴・・・!謝りもしねぇのかよ!あぶねぇだろーが!!」
転んではねぇけどギリギリで拾い上げたパソコンが落ちるとこだったじゃねぇか!!
俺はぶつかられた方向に睨みつけるように振り向いた。
そこには俺が今持っているパソコンの持ち主が帽子を被った3人に囲まれて何か言われている光景があった。
・・・あ、リンチですかそうですか、うん。
俺は静かに顔を進行方向へと戻した。
「・・・どーしよ。あのヨワイモノイジメっぽいの、止めるべきか止めないでおくべきか・・・」
フツーに考えれば止めるべきだろーけどよ、止めんのめんどくさいんだよなぁ。
それに多数コワイ、マジコワイ。
なんだよ、他の奴もするなら何でも大丈夫とか許されるって思ってんのかッ!!
学校の放課後に学校裏とか体育館裏とか人目のつきにくいとこに数人の女子で呼び出して全員で言い寄るのとか・・・ッ!!
あの女子達めっちゃ必死過ぎて顔コワかった!!!
あの恐怖は忘れらんねぇ・・・ッ!!(涙)
あッ、そういやこれの持ち主が囲まれてたじゃんか!!
これは止めないといけないよなぁ・・・
あれ止めん時、絶対標的がコッチに変わるよな・・・
しかも今回は男の人・・・
・・・マジでどうしよ(涙)
俺が悩んでいると、その横を囲んでいた3人だけが走り抜けて行った。
・・・ん?
今帽子トリオだけが走り抜けた?
ちょ、これの持ち主は?!
後ろを見ると、膝をついて放心している姿が見えた。
・・・えぇ〜。
まさかの少しだけど逆走してこなきゃいけないパターンですかこれ。
めんどくせぇー。
まぁ、そのままパソコンをパクげふんげふん、貰うならそんな事しなくてもいいけど、俺はチキンだから!!
そのまま持ち去るなんてできないチキンだから!!!
俺は嫌々ながらも逆走して、パソコンを返しに行った。
・・・反応ねぇな。
でも、パソコン側に置いとけば気づくよな。
コトッ
その人は俺が近づいてもパソコンを置いても反応しなかった。
その様子を見ていたら何だか可哀想に思えて俺はつい口を開いてしまった。
「そんな事無い、気にすんな。」
俺はそれだけ言うと、もう前に見えない集団に追いつくため疾走した。
・・・・う゛あぁぁああ!!
何であんな事口走ったんだ俺!!
自分でもビックリ!!!
てか、そんな事ってどんな事だよ!!!
何を気にしなければいいんだ?!!
俺ってば聞いてないから知らないはずなのに、何を知ってんだよ?!!
今頃絶対同情なんか掛けて馬鹿にしてんのかとかそんな事思ってるよ、きっと!!!
確か俺って同情掛けるぐらいならご飯にかける方がましって精神じゃなかったけぇええ?!!!
マジ俺どうした?!!!!
なに自分見失っちゃってんの俺ぇぇええええ!!!!
ガシッ
「すみませんが、私より先に行かないでください。」
「へ?」
俺は突然腕を掴まれて気が抜けた声が出た。
俺はそれで先へ進む足が止まりそうになったが、ここで止まったら置いて行かれると思って足を進め先程より減速して俺の腕を掴んだ奴の後ろに移動した。
そこで俺は違和感に気付く。
・・・あれ?
いつの間に道が階段になってんだ?
後ろを見てみるとその下はずぅーっと階段が続いていた。
・・・ははっ、俺ってば無意識で階段登ってらぁ。
しかも、俺の腕掴んだのってもしかしなくても目の前にいる一次試験担当管?ってのだっけな?
まぁ兎に角そんな役職のサトツさん・・・
って事は俺は今一番前にいるって事か?!
やっべ、俺すっげぇ!!
俺が自分の無意識の凄さに感動していると、後方からあっ!!とこの試験には不似合いな少年の声があがった。
俺は何事かと振り向くと俺の方らへんを指差してお花がとびそうな程の満面の笑みを浮かべた何だか髪がトゲトゲしてそうな少年と目が合った。
「途中で俺たちの横を猛スピードで走り抜けてった人だ!!」
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