名前なんて決められないッ!
□ごーお
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薄暗い地下道を抜けると、
そこは霧深い湿原でした。
「………」
俺は思わず口を開いて固まった。
隣にいるゴン君からは感嘆の声が上がる。
「…す、すげーな。世界にはこんな所があるんだ。世界って広いんだな、ゴン君。(棒読み)」
我に返った俺はとりあえず感想を言った。
「うん、スゴイね。世界にはまだオレの知らない事があるって考えるとわくわくするよ…!」
あ、ゴン君の意気込みアザーす。
俺はなんと無く、頑張れよと言っておいた。
「な…ここは……」
後ろの方で誰かが言った。
…そう言えばそうだよ、ここってどこだよ。
俺はここを知らない事を思い出して同調するように思った。
すると、サトツさんがここの事を説明し出した。
「ヌメーレ湿原、通称“詐欺師の塒”。二次試験会場へはここを通って行かねばなりません。この湿原にしかいない珍奇な動物達、その多くが人間をもあざむいて食糧にしようとする狡猾で貪欲な生き物です。十分注意してついて来て下さい。
だまされると死にますよ。」
……Σ死ぬってガチですか?!
いや、俺死にたくねぇよ?!!
俺、と言うかだいたいの奴らは人生謳歌して死にしたいに決まってるだろ!!!
…でも俺は珠香さんの手でならいいかもしんねぇ。←
だ、だけど、第一希望は老衰だかんな!!!(汗)
「ウソだ!!そいつはウソをついている!!」
何処からか誰かが大きな声でそう言った。
みんな一斉にその声が聞こえた方向を向く。
…ちょ、人多すぎて俺見えねぇんだけど!
俺は結構身長あるはずだよな?!
なのに見えねぇってどういう事だよ!!
何だよ、俺もどんな奴が言ってるのか見てぇよ!!
てか、誰に向かってウソだって言ってんだよ…
あ、俺のあれはウソじゃないからな!!
マジのガチで言ってるんだからな!!!
老衰、なんてステキな死に方なんだろう!!
人生満喫するってステキだよな!!!
てか、ほんと誰が言ってんのか見てぇよ!!
「そいつはニセ者だ!!試験官じゃない、オレが本当の試験官だ!!」
今度は全員サトツさんを見る。
そして皆サトツさんから少し距離を置き、サトツさんの前から避けた。
俺ら以外の人は。
俺はサトツさんの前が開けた事に誰が言ってるのか見るのにちょうどいい思い、ゴン君はキョトンとしていて、銀髪クンはつまらなさそうにしていた。
俺はまだ何か言っている奴を見る為にその開けた間からヒョイと顔を出した。
うっわ、ボロボロだなあのおっさん、否おにーさん?…やっぱおっさんでいいや。
てか、何であんなガリガリのサル持ってんだよ。
非常食?非常食なのか?←
あ、しかもあのサルよく見るとサトツさん似だ。
俺がおっさんの感想?を思っていると不意に小さな鋭く風を切る音が聞こえた。
その音は耳横とか近くで何かが通るような音ではなく、遠くからのような音だった。
不思議に思って聞こえた方に振り向くと、
ヒュッ スコーーン
顔の横を何かが通った後、そこに近い額に当たった。
俺はその衝撃で少し顔が仰け反った。
「…………は?」
俺は理解できていなかった。
「っ〜〜〜〜!!」
そしてしばらくもしない内にその衝撃の痛みがきた。
俺はそれが痛すぎて額を抑えてしゃがみこんだ。
〜〜〜〜ってぇ!!!
何だよこの、時間差攻撃!!!!(涙)
俺なんにも悪い事してない!!!(泣)
してないのにこれって何だよ!!!!!(大泣)
それに投げたの誰だよ!!!!!(号泣)
イテェよ!!!マジイテェよ!!!(どしゃぶり)
俺はお面で見えないが痛すぎて涙がボロボロと出ていた。
「ヒビキ、大丈夫?」
俺の近くに寄って来たゴン君は俺の顔を覗き込んだ。
「ゔーあー、もうちょいダメ。もう少しこのままでいさせて。」
「アンタ助かったね。お面してたから顔に刺さらなくてさ。ま、別に刺さっても良かったけど。」
「ちょ、銀髪クン冷たい…」
いや、ゴン君がフレンドリー過ぎるのか…
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