名前なんて決められないッ!

□ろーく
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「……なぁ。」



「…。」



「なぁ。」



「……。」



「なぁってば。」



「………。」



「なぁっつってんだろ無視すんなよハゲ!」



ゲシ



「イテッ!!」



俺は全く返事をしてくれない目の前のハゲのケツに蹴りをいれた。



…ケツって言葉に下品って文句は受け付けてないからな!!



俺がハンゾーのとこに来た直後はよく返事を返してくれたのに、段々無視してくんのが悪いんだぁ!(涙)



てか、霧の中でも微々だけどハゲに光が反射するってすげェ!!



「おま、ちょ、蹴んなよ!イテーだろ?!それに服汚れる!」



「ハゲゾーが無視するの悪いんだよ!無視される方はめっちゃ寂しいんだぞ!(涙)」



俺は手でお面を覆ってオイオイと泣く真似をした。



「分かった分かったから、泣き真似するな!こっちはお前と違って霧の中を走んのに疲れてんの!分かる?この息切れ!!」



ハゲゾー基ハンゾーの言うとおり俺たちはまだ濃い霧の中を走っていた。



俺はそう言われて拗ねたように手をお面から外した。



「息切れっていってもちょっと汗かいて吐息(?)がもれるぐらいじゃん。だから、そんなの息切れにはいんねぇよハゲ!」



言葉に「俺に構えよ」という意味を込めながら八つ当たり気味に最後の言葉を吐き捨てた。



べ、別に、構って欲しいって訳じゃ、ねぇんだかんな!!//←



「だから、コレはハゲじゃねぇっていって…ハァ、もういい。オレはもう訂正すんのに疲れた。」



「Σえ、ちょ、疲れんの早くない?!俺に構ってよ!!これまだ6話目だよ?!!構ってくれないとめっちゃ寂しいんだよ!!しかも、ハゲを訂正してる場面は全話合わせて2ページぐらいしか載ってないのに疲れたのかよ?!」←



「おいおい!そういう現実的な話すんなよ!ともかく、オレはもー疲れたの。そっとしておいてくれ。」



そう言ってハンゾーは前を向いた。



俺が何度呼びかけても返事を軽く流される。



「…ちぇ、つまんないの。」



ハンゾーは構ってくれねぇし、銀ぱじゃなくて、キルア君とこに戻んのは気まずいし…



って、こんな霧の中じゃキルア君の頭の反射がない限り居場所が分かんねぇか!!←



…そういやぁ、ゴン君ってば後ろの方に走って行って大丈夫かな?



ちゃんとついて来れてるかな?



Σはッ、そういや何か騙されたら死ぬとか言ってたよな?!



ゴン君ってば騙されてないよな?!!



ゴン君は妙に純粋そうだからコロッと騙されそうでコワイ!!



俺がコワイ!!←



ちょっと詐欺にあわせたらいいカモになるかもしれないとか考えちゃった俺がコワイ!!←



ちょっとの間の付き合いだけどめっちゃ心配になるんだけどッ!!



Σそういや俺、キルア君とゴン君が無事につけるかどうか掛けてたんだっけ!!?



うっわ、俺のためにも無事で生き抜いて!!



俺がゴン君の心配というか、願っているうちに視界は徐々に晴れてきた。



「おぉ、ハンゾー!霧が晴れてきた!」



「そうだな。これで大分走りやすくなるってもんだ。」



ハンゾーは俺の方を向いてやっとちゃんとした返事をくれた。



が、ハンゾーは何故か俺の額らへんをジーっと見て唖然とした。



「何だよ、ハンゾー。何か俺の顔についてんの?まぁ、お面は着いてけどそれ以外でな。」



「いや、額についてるって言っちゃついてるんだけどな…。なんて言うか、ついてるっつーより刺さってる?」



「え、何それ…?」



俺はおそるおそる自分の額に手を伸ばした。



手に当たる感覚は長方形のカードの様だった。



…?なんだこれ?



俺は何か確かめる為にしっかりと触って確認した。










……Σあぁあ!!



あれか!!



あの時の額に当たった奴か!!!
(ごーお参照)



…そういや当たった後、痛みに耐えてただけで放置してたっけな!



俺は慌ててその刺さっているらしいカードを取った。



それは思いのほか深く刺さっているらしく、俺は取るのに結構な力を込めていた。



そして俺は取ったそれを素早く後ろに隠した。



その間、0.5秒足らずだった…と思う。←



「…俺、なんの事だか分かんない(棒読み)」



俺はとぼけてみた。



「Σえ、いや、お前今さっき取ってたじゃねぇか!!しかもあれ、ヒソカのトランプだったじゃねーのか?!」



「それは目の錯覚錯覚。疲れてんじゃね?(棒読み)」



「Σ疲れてねー…いや、てるけどそれはそれで違うだろ?!てか、棒読みやめろよ!!ほら、後ろに隠してるもん見せろ!!」



「何ノ事ダカサッパリー。(棒読み)」



「Σちょ、片言にレベルアップぅう?!!」



〜〜〜〜
〜〜



「みなさん、お疲れ様です。無事に湿原をぬけました。ここ、ビスカ森林公園が二次試験会場となります。」



サトツさんは余裕でそう言って周りを見渡した。



俺とハンゾーがあんな攻防戦を繰り広げている間に何時の間にか目的地に着いていた。



走りきった俺達は一部を除いて汗を流し息切れしていた。



…ちょっと、俺ってばその一部に入っちゃってるんだけど。



…Σ俺って人外だったの?!←



いや、俺は人だ!!!



りっぱ…ではないけど、人なのは確実だ!!!



きっとこれはクジナさんとの修行の成果だきっと!!



って、何自問自答してんだよ俺…orz



結論:俺はフツーに(?)人です。



「それじゃ、私はこれで。健闘をいのります。」



サトツさんはそう言って何処かへ歩いていった。



うん、やっぱサトツさんの髭ってダンディーだよな。←



「やっと着いたな、二次試験会場。…で、どうしようこの刺さってたの。」



俺はそう言って後ろに隠していたトランプをハンゾーに見せた。



トランプって刺さるもんなんだな…



俺はお面についた傷痕をなぞりながらしみじみと思った。



「ハァ、何今頃潔く出してんだよ。あの時のオレの気力返せよなったく。…やっぱりヒソカのトランプじゃねぇか。」



ハンゾーは呆れたようにブツブツと何か言いながら俺が差し出したトランプを見た。



…どうしよ。



これって言うべきだろうか、言わないでおくべきか…



でも、俺だけ知らねぇままってのは嫌だしなぁ。



や、でも言った時になにこいつバカなの?しぬの?みたいな目で見られたら俺、絶対泣く。



確実に泣く。



もう俺の人生が終わっちまう。←



だから言いたくねぇけど、知りたいし…



うーむ…



…あ゛ー、もう考えんの面倒くさい!!!



よし、もう言っちまえ!!



案ずるより産むが易しっていうし、言っちまえ!!




俺は意を決して口を開いた。



「…なぁ、ハンゾー。」



「ん、何だヒビキ?」



「今更なんだけどさ、









ヒソカって誰?」



「…。」



「ハイキタこの視線。予想通り乙。(泣)」orz


くっそぅ、やっぱり俺をなにこいつ知らねぇの?バカなの?しぬの?的な目で見やがって。



やめろ、マジやめろ。



俺をそんな目で見ないで(涙)



俺の心がボッキリ、ボッキリへし折れるから!!(泣)



だって知らねぇもんは知らねぇんだもんんん!!(号泣)



俺は予想通り過ぎる視線で精神的攻撃され打ちひしがれた。



ハンゾーはガチでショックを受けている俺に慌てていた。



「あ、えっと、すまん。みんな知ってるもんだとばかり思ってたもんで。ほら、あいつだよあいつ。なんて言うか、ほらよ、こう、ピエロっぽい格好してる奴だ!」



「知らねぇもんは知らねぇんd…え、ピエロ?」



俺は思わず聞き返した。



「おうよ、ピエロだな。本人は奇術師って言ってんだがな。」



俺はそこまで聞いて試験が始まる前に目が合った奴の事を思い出した。



ちょ、まさか…



「……まさか、顔に星と雫のペイントとかしちゃってる?」



「おぉ、よく分かったな!やっぱ知ってんじゃねーかよ!」



ギャース!!マジかぁぁああ!!!



俺は頭を抱えて座り込んだ。



「お、おいヒビキ!?大丈夫か?!お前、平気そうにしてたが疲れてたのか?!」



ハンゾーは急にしゃがみこんだ俺に心配そうに話しかけた。



「どうしよ俺…」



「ん?どうしたんだ?」



ハンゾーは優しく聞き返す。



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