◎闇と風◎
□Only You〜君だけを〜
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僕は、彼と絡まっている視線をそのままに、隣を歩くテッドの肩に片腕を預けてみる。
…一瞬、彼の顔が歪んだ気がしたんだ。
それが、嫉妬という感情からくるものであれば…僕の勘はたぶん、あたり。
―…
「…待ちなよ」
ゆっくりと通りの真ん中に立ちはだかってそう言った彼に、笑みを深めることしかできない。
そんな僕とは逆に、シーナはこの世の終わりを見るような目でルックのことを見ていた。
それが癪に障ったのか、静かに紋章を発動したルック。
「…切り裂き」
「ちょ、ちょっと待てルック!俺何もして…うわ〜!!」
そのまま容赦なくシーナに向けて、一発お見舞いした。
そのあと、顔を真っ青にしているテッドとは裏腹に、くすくす笑っている僕の目の前に彼は立った。
「ルック…どうしたの?」
「ちょっと、こっち来なよね」
ルックは、わざとらしく驚いた表情を浮かべている僕の右手を掴むと、屋上へ向かう。
そのまま、屋上へ来たところで足を止めた。