記念物・お題

□君は俺のもの
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「っ、篤さ、」
「?!」
「何、してる!!!!!!!貴様!!!!!!!!!」

俺の怒声に新隊員は固まる。
その声に小牧達が駆けつけるのは時間の問題だ。
だが

そんなことどうでもいい。

俺は

「あ、篤さ」

バキ!!!!!!

新隊員を殴りたかった。


「郁!!!!!!」

抱きしめたかった。

「堂上?!どうしたんだ?!」
「一正!」

その声に俺はただ郁を抱きしめながら言う。

「そいつを連れて行け!!!!!!!!」
「あ、つしさ」
「手塚」
「はい」

二人はそれに従う。
郁は黙ったまま俺に抱き締められていたが震えていた。

「………悪い、出ていくのが遅くなった。」
「来てくれた、だけで」
「郁…」
「っ、怖かった…っ」

フラッシュバックした、

そう言いながら泣く郁を

今は

抱き締めることしか

出来なかった。


―――――――

「……なんで郁に手を出した。」

目の前には先程の新隊員。

ビクビクしながら俺の質問に答える。

「か、可愛くて、タイプだったので…」
「郁は旦那がいると言っていただろう」
「そ、れは、逃げる口実かと」
「…金輪際、郁に近づくな。」

そういってその場を後にする。
外には小牧がいた。

「笠原さん、柴崎さんと手塚に送ってんもらったよ」
「悪い」
「構わないよ、あの新人のことは任せろって」
「……あぁ」
「…柴崎さんによると、かなり不安定になっっているそうだ」
「………小牧」
「分かってる」

そういって小牧は笑いながら新隊員がいる部屋に入っていった。

俺はそれを見届けると急いで家に戻った。

戻ると下に手塚がいた。

「笠原は部屋に」
「……すまんな、手塚」
「自分は何も…」

家に入る

そこには

泣きつかれた郁の隣に座る柴崎がいた。

「教官」
「すまんな」
「いいえ。笠原、今眠ったとこなんで」
「……分かった」
「さっきまで泣きじゃくって大変だったんですよ。」

―まだ、昔のトラウマがあるみたいで

柴崎は辛そうに言った。
そんな柴崎を労わるように肩に手を置き手塚と帰るように言う。
柴崎はそれに素直に従う。

「じゃ、教官」
「あぁ…気を付けてな」
「光がいるんで大丈夫ですよ。」

パタン

ドアが閉まる

―………

それを確認すると郁の隣に行った。
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