記念物・お題

□初めての恋が終わる時
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初めてのキスは、涙の味がした―


あんたと出会ったのは、高校1年の寒い冬。

電車のホームで絡まれているのをあんたが助けてくれた。

それがキッカケだった。

それから何度か遊ぶようにもなった。

それも手伝ってなのか

いつの間にか、あんたに惹かれていた。

でもこの気持ちは伝えない。

そう決めていたから、押し込めたこの気持ち。

だから振り向かない、

前を見て、あんたの隣で

友達として、並ぶって決めたから。


ありがとう サヨナラ

切ない片想い

足を止めたら思い出してしまう

だから

ありがとう、サヨナラ

泣いたりしないから

そう思った途端にふわり

舞い降りてくる雪

触れたら溶けて消えた…


駅を目指して歩く

手には紙袋をもって。

中には手編みのマフラー。

重いかと思った

けど

1つでも何か形になるものを残したいと

前を行く寄り添って楽しそうな二人のようになりたいと

矛盾したことを思ってしまって作ってしまった。

でも

渡せるはずかない。

どう渡していいのか、分からない。

まして手編みなんて、彼女でもないのに

本当にそれだけなのか

そんな理屈ばかり並べて

本当の気持ちはどうなのか

怖かっただけ?

意気地なし

このままでいいと

本当に思ってるの?


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