記念物・お題

□復活企画小説5
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走る私を男達がなんだなんだと見てくるが気に止めることなんてない。

だって

私は



今すぐ、貴方に会いたいから。



―――――


「はぁ」

ため息しか出ない。

麻子を傷付けてしまったことを後悔してももう遅い。

立場が逆だったら、俺でもあぁなる自信があるというのに、俺は


「…麻子」

会って謝りたい。

だが今、彼女に会うのはどうなんだろうか

と思うと会いに、探しにいけないのだ。

―ヘタレだな

なんて思い、鼻で笑った瞬間、何かに思いっきり後ろから抱きつかれた。


「?!?な!?!」
「馬鹿」
「あ、麻子…」
「光の馬鹿」

ぎゅっと力を入れてしがみつく柴崎に心が痛む。

「悪い…」
「私が妬かないとでも思った?」

「私ね、あんたが思ってる以上に、あんたが、好きなんだから」

「好きで、好きで、たまらないんだから」

徐々に涙声になる柴崎の回って腕を掴むと思いっきり前から抱きしめ直した。

「麻子、悪かった」
「っ、馬鹿」
「あぁ」
「光なんて、」
「麻子」
「っ、好きなの、だから」
「っ」
「だから!他の女なんかに触れさせなっんん」

可愛すぎて、愛しすぎる柴崎の口を塞いでそのまま頬に伝わる涙を拭ってやる。

「っ、麻、子」
「馬、鹿」

そんな手塚に甘えるように擦り寄ってくる柴崎を手塚はもう一度


力強く抱き締めた。







emd
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