記念物・お題
□復活企画小説6
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「篤さーん」
「郁、飲みすぎだぞ」
「ん、篤、さ、んー」
「なんだ?」
「だ」
「?だ?」
「大好きだにゃんー」
「…」
「にゃーん」
「…………」
この可愛い生き物は、何だ
―――――
「これ、お土産です」
毬江ちゃんからお土産を貰った。
「え、いいの?!」
「はい、いつもお世話になってるお礼です。」
「きゃー!ありがとう!」
「柴崎さんも同じ物なんですけど」
「あら、私も?ありがと」
「開けてもいい?」
「はい、どうぞ」
笑顔の毬江の横で開けてみるとそこには
「「焼酎?」」
「はい、皆さん、お好きかなって。笠原さんは弱いと聞いていましたけど堂上さんと飲まれるならこれの方がいいって幹久さんに言われて」
「なるほどね」
「そうなんだ、ありがとうー!」
「じゃあ」
「あ、気を付けてね!」
「はい」
毬江の後ろ姿を見送ると、郁はじーっと焼酎の入れ物を見つめる。
「笠原ー?」
「な、なに」
「先に、二人で呑まない?」
「え、でも篤さんとって」
「いいじゃなーい!」
「え、ちょ、し、柴崎?!」
勝手にカップに焼酎を注ぎ、水で割ってやると郁に笑顔で柴崎は渡した。
「はい」
「はいって」
「ほら、飲む」
「え、でも」
「いいから飲みなさい!」
「え、ちょ」
「さっさと酔いつぶれなさーい」
強引に柴崎は郁に焼酎を飲ました瞬間。郁の顔が一気に赤くなり、そのまま倒れた。
「相変わらず、よっわいわねー。」
柴崎はそう呟くと鼻歌を歌いながら郁の服に手をかけた。
――――
「…ん」
目を覚ませば堂上に運ばれていた。
「あ、れ」
「起きたか」
「んー、篤さ、ん」
「全く、お前は」
「んー、ちゃんと相手するよぉ」
「…郁?」
「飲むんでしょう?」
「お前は飲むな」
「えー」
頬膨らましながら郁は堂上を睨む。
その郁に思わず理性をもっていかれそうになるが必死で堂上は耐えた。
「やだ」
「あ、こら、郁」
部屋に着くなり、郁は酒を煽り出す。
止めようにも赤くなった頬で、潤んだ目で見てくるんもんだから
―近寄れんわ、馬鹿郁
そう言葉を噛み殺し、ため息をついた。
そして冒頭に至るのだ。