記念物・お題
□復活企画小説9
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それは唐突に
目の前で起こった。
−−−
「笠原ぁ!起きなさいって!」
「う〜ん、後、5分…」
「今日、教官とデートでしょ?!」
「………きゃー!!!」
なんで起こしてくれなかったのよぉ!なんて叫びながら用意をする郁を端にとらえながら、柴崎も用意をし始めた。
「あれ?柴崎も?」
「まぁね」
「え、どこ行くの?!」
「なぁんであんたに言わないと行けないのよ」
「もしかしたらWデートとか!」
「ないから」
「ちぇ…」
膨れながら服を素早く着替え隣に座ってきた笠原を見てため息をついた。
「自分でしなさいよ」
「えー…」
「……分かったわよ、全く」
「きゃー!柴崎、大好き!」
「分かったから落ち着きなさい」
ため息を付きながらも笠原のメイクを終えると自分のメイクもしていく。
「ね、柴崎、ホントにどこに行くの?」
「映画よ、映画」
「なーんだ」
「ほら、早く行きなさいよ。時間危ないんじゃないの?」
「あ、やばい」
慌ててサンダルを履いて出ていく笠原を見送った後、柴崎は笑いながら部屋を後にした。
ーーーー
「光ー」
「ん…」
映画が終わって、ホテルに着くなり、なぜがベットに突っ伏した手塚に思わず苦笑いを零しながら柴咲は隣に腰掛けた。
「ちょっと、あんた起きなさいよ」
「…」
「お風呂もまだだし、ご飯だって」
「…麻…子」
「ほら、光」
グっと力を入れて起こそうとするも重さに叶うはずがなく柴咲はため息を付いた