愛する君と
□如月という男
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「で、あんたは何者で何しに来たのよ!」
茜は如月を睨みつけた。
「見て分からんのか?…見た目通りの阿呆なのだなお前は。」
「〜〜〜祓ってやる!」
茜はポケットから札を取り出した。
『茜ちゃん!』
「お前のような弱小の未熟者にこの俺が倒せるとでも思ってるのか?」
ハッと如月は馬鹿にしたような笑みを茜に向けた。
『貴方も煽らないで!茜ちゃん、お願いだから落ちついて?ね?』
「………ルリどいて。あたしマジだから。」
『茜ちゃん…。駄目だよ。彼には勝てないから。だから―』
「そんなのやってみなくちゃ分からないでしょ!」
『分かるから。彼は強いの。茜ちゃんが死ぬのは私嫌だよ。』
ルリは如月の前に立ち必死に茜を説得した。
「………。」
茜は如月を睨みつけたまま札をポケットに閉まった。
『有難う茜ちゃん。』
それを見たルリはホッと胸を撫で下ろした。
「………。如月さんって跡部んとこの執事なんですよね?あの、聞きたいんすけど跡部は知ってるんですか?」
「あのガキが知るはずがないだろう。」
「ガキ…。」
「…あの跡部をガキ扱い…。」
『跡部?』
ルリは誰?と首を傾げた。