愛する君と
□如月という男
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「昨日いたよ?いかにも俺様な風貌で目元に黒子があって顔だけはいい奴」
「茜…。」
その説明は無いだろ…。
と宍戸は溜め息をついた。
「だって事実じゃん。性格に問題あるっしょ?」
「………。」
否定出来ないため宍戸は何も言い返せない。
『…うーん‥。御免うっすらとしか分からない』
「そう言えばルリって人の顔と名前覚えるの苦手だっけ。」
『うん‥。中々覚えられないんだよね。』
「あれ?けど、亮のことは宍戸って覚えてたよね?ルリにしては珍し〜って思ってたんだけど。」
『え?ああ、彼のことは昨日のことがあるから…。それに…。』
チラッとルリは隣に座っている如月をみた。
「まあ、俺がいたってのもあるだろうな。」
「なんでアンタがいると覚えてんのよ。」
茜は如月を睨んだ
『彼といた時部屋に来たから。だから多分覚えたんだと思う‥。彼らが関わってたりするとなんでか忘れないんだよね。』
首をかしげながらなんでかな?と苦笑した。
「そう言えば昔っからそうだったね‥。物の怪とかあの男に関しては覚えてたね。」
茜は遠くを見るように呟いた。
『でも私もまさかあんな所で会うとは思わなかったかな。あの家が住み処なのかって最初思ったけど貴方以外妖いなかったから。なんでいたの?』
「…………。執事の爺に借りがあってな。それで、不本意だがあそこで執事をやってるんだよ」
ムスッとした表情で如月は腕を組みルリから視線を外しながら渋々答えた
『そうなんだ。けど、そのおかげで貴方と知り合ったから良かったかな。』
「よくない!あたしもう景吾ん家行かない。」
「いや、それ無理じゃね?」
「集まり行かないもんっ。」
「…夏休みの宿題1人でできんのか?」
「うぐっ‥。」
茜は言い返せず言葉に詰まったのだった。