愛する君と

□家出娘と跡部邸
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「もしもし?お母さん?………違うっ、あたし茜。………うん、いるよ。……うん。……うん。‥分かった。じゃあね。」


茜は電話を切り、ソファーに座っているルリを見て溜め息をついたのだった。












第4話










『家出したの。』


ルリの爆弾発言を聞いた後、ルリ達はここでする話しではないとワックを出て跡部が呼んだ車に皆で乗りそのまま跡部の家に行くことにしたのだった。



『茜ちゃん…電話しなくても良かったのに』

電話をかけ終わりソファーに腰掛けた双子の姉の茜にルリは不服そうな表情で言った。



「しなきゃダメでしょーがっ!!お母さん達心配してたし。……で?なんで家出なんてしてきたのさ。あんたが家出なんてまず有り得ないし。なんかあったわけ?」

『茜ちゃんだって家出たじゃん。』

「“家出”してないから!!氷帝は家から通うの無理あるってことで太郎伯父さんの家に居候させてもらってるの!」

『でもお家にいないから家出だよ?』

「だ・か・ら〜あ!…………………。あのさ、聞くけど。“家出”って誰に教えてもらった?」

『え?志乃だよ?“チンクシャはもう家には帰って来ないから家出したんだよ”って教えてくれたの。』

「〜〜〜〜あのぉっ!チビガキが−!!」


茜ははぁと溜め息をつきルリを見た。



「いい?あたしは家出はしてないからっ。糞馬鹿チビ犬っころの言ったことは嘘だからねっ!?」

『……茜ちゃん、志乃は犬じゃないよ?狼だよ?』


ルリは真面目な顔つきで茜に言った。



「そこに食いつく!?嘘ついた方に食いついてよ!」


茜はがっくりと肩をおとした。
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