愛する君と

□秘密な関係
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「私としては借りよりも他のモノを望みますが。」


青年はルリが座っているソファーに手をおき顔を近づけ


“貴女とか”


耳元で甘く囁いた。



『……初対面なのに随分と積極的なのね?』


青年のネクタイを掴みルリは青年に顔を近づけた。
どちらかが動けば触れてしまいそうなほど距離が近く端から見れば今にも口づけでもするかのように捉えられても可笑しくない。



「………我が一族にも貴女は有名ですから。善い意味でも悪い意味でも……」


ソファーに手をかけていない左手で青年はルリの髪を一房手にとり髪に口づけた。



「悪りぃ。携帯忘れ…」


ガチャっとドアが開き帽子を被った少年、宍戸亮が中に入り言葉を失った。

マネージャーの妹である彼女と跡部の執事である青年の密着に近い状態の2人を目にした宍戸の顔はみるみる朱に染まっていった。



「……あ、え、いや、あっ、し、し失礼しました」


顔を真っ赤にした宍戸は勢いよくドアを閉めた。



『………。』

「………ッ。アハハハハ。今時にしては珍しい少年ですねアレは。」

『………はぁ‥。分かっててやってたのね。』


離れ右手を口元にやりながら笑っている青年の様子にルリは彼がわざとあのような体制になったのだと分かった。



『聞いてた通りタチが悪いのね。“如月”って。』

「……我々を知っておいでで?」

『ええ、勿論。』


にこりと笑ったがルリの目は笑ってはいなかった。



「……成る程。噂は噂だと思っていたが、どうやら真実だったようだ。」




青年は前髪をかきあげ値踏みするかのようにルリを見た。



「………興味が湧いた。見た目も悪くはないしなお嬢は。特別に字を教えようか。俺の名は―」

『っ!?』


青年はルリの腕を掴み自分の方へ抱き寄せ、耳元でルリにしか聞こえないよう言葉を紡いだのだった。


この青年との出会いがのちに起こる問題に大きく関わるなどこの時は誰も思わなかったのだった……。




to be continue.......
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