愛する君と

□如月という男
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「俺が何者か知りたいって?」


如月はソファーに座るルリを後ろから抱きしめた。












第2話












「い、いつのまに…」


宍戸は突然現れた彼に驚きを隠せないでいる。



「…………!?あんたいつの間に!?てか、このうち結界張ってるはず」


呆けていた茜は我にかえり侵入者である跡部の執事で今話題になっていた青年を睨んだ。



「あんな弱い結界なんて笑えるな。」


ルリの隣に座りながら如月はフンっと鼻で笑った。



「ぬあんですって〜!」


茜は立ち上がりキッと如月を睨んだ。



『ちょっ…。』


如月はルリの腰に手を回し自分の方へと引き寄せた。

ルリは抵抗しようとしたが、如月が離そうとはしなかった。



「なっ‥。」


その光景を見て宍戸は昨日跡部の家で見た2人を思い出し顔を赤くした。



「何やってんのよ!ルリから離れなさい!」


茜はルリの腕を引っ張ったが失敗に終わった。



『離しなさい。』


静かな声でルリは如月に言った。



「……つれないなあ。せっかく会いに来てやったのに。」


ああ、これ土産。


如月はルリから離れテーブルに包み箱を置き蓋を開けた。


『?お茶?』


中に入っていた茶箱を見てルリは首をかしげた



「羽須美の奴からの贈り物。」

『っ!いらないって言ったはずでしょ。』


ルリは如月を睨んだ



「ふうん?ついこの間烏の連中からは受け取ったのにこれは受け取らんと言うのか?」

『あれは…。仕方なく』

「お嬢の事情など知らん。これで受け取らなかったら烏を贔屓目してると捉らえられるぞ?」

『……………。はぁ…。
今度挨拶に伺うと伝えておいて。』


ルリは贈り物を受け取ることにした。
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