Brave&trigger

□#3合言葉は支え
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《さかのぼること、1時間前》


アイリス「博士、お茶をどうぞッチ。」

御城「うむ、ありがとうアイリス。」


御城博士に造られて以来、アイリスは彼の補佐をしていた。
御城博士がテレビをつけると、たまたま開発したロボペットのニュースがやっていた。

アイリス「ロボペットは今日も人の役に立ってるッチ。」

御城「そうじゃな。」

アイリス「でももっと、何でもできる機能を搭載した方が、人の役に立つんじゃ?ッチ?」

御城「それは禁忌じゃ。」


アイリスが提案すると、御城博士はお茶を一口飲むとそう言った。


御城「知っとるか?アイリス。ヘビはカエルがずっと怠けて体を動かさなくなったために、衰えて、ああいう手も足もない生物になったという昔話があるんじゃ。」

アイリス「えぇーっ!?」

御城「あくまで作り話じゃ。だが将来、ロボットの普及により、人間が長く手も足も使わなくなると、立つことも歩くこともましてや、ご飯を一人で食べることもできなくなるだろう。」

アイリス「人間も、ヘビみたくなるッチ?」

御城「我々科学者は、ロボットの製作を理想としてきたが、そのようなのを目的で作ったわけではない。
人の役に立つというのは、困ってる時にサポートすることじゃ。
人間にはそれだけで十分じゃ。ロボットが全てこなす必要はない。」

アイリス「困ってる時にサポート…。」

その時、

ドカアアアアアン!!!!!

御城「ぬっ!?」

アイリス「ッチ!?」


御城博士とアイリスが部屋で話しをしていると、突然、部屋の壁が爆発した。

?「それは年寄りの戯言ね、御城博士。」

御城「お、お前はっ!」

爆風が止むと、そこには白衣を着たナイスバディな女が立っていた。

彼女の名前は、岸部麗華(きしべれいか)。御城博士の有能な助手として、ロボペットの製作に取り組んできた人望の厚い女だ。

彼女の横には、一匹のマンチカンみたいな猫型のロボペットがいる。壁を破壊したのは、そのロボペットだった。


アイリス「岸部助手!なんでこんなことするんだッチ!?」

岸部「別に?ただヘッドハンティングに来ただけよ。」

御城「何っ!?」

岸部「御城博士を殺して、私がロボペットの最高科学者になるの。そうすれば、私は大金持ちになれるわけ。」

御城「助手になったのは、それが目当てか!?」

岸部「えぇ。ってわけで御城博士、さよなら。」

バァァァン!!

御城「うっ…!」

アイリス「は、博士っ!!」

岸部のピストルが御城博士を撃つ。

アイリス「そ、そんな…!ひっ、人殺しぃぃぃぃぃぃ!!!!!」


倒れた博士を見ると、アイリスは必死で研究所から逃げて行った。




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